2020年9月15日にエスコンジャパンリート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,279円のところ3,430円で着地しました。
尚、利益超過分配金289円が含まれています。

関西の商業施設債権が分配金上昇のカギ
20200927エスコンジャパンリート投資法人NOI推移

 2020年7月期のエスコンジャパンリート投資法人は2020年2月4日にtonarie大和高田(持分50%)(取得価格:4,150百万円)、tonarie栂・美木多(持分50%)(取得価格:3,490百万円)、ライフ大仙店(底地)(取得価格:2,733百万円)の3棟の物件を取得しました。

 内部成長面については商業施設にお越しいただくお客様とテナント従業員の皆さまの安全確保に留意しながら、空区画へのテナント誘致、契約期限到来時におけるテナントの入れ替え等の適切な運用資産の管理と収益向上のための施策を行い、中長期にわたる安定的な収益の確保に注力しました。これらにより結果、2020年7月期末時点の運用資産28物件の稼働率は99.8%となっています。

 また、保有する2物件(tonarie大和高田、tonarie栂・美木多)について、非常に優れた「環境・社会への配慮」がなされた建物であるとして、㈱日本政策投資銀行よりDBJ Green Building認証(評価ランク:three stars)を2020年7月27日付で取得しました。投資法人及び資産運用会社は、ESGへの取り組みが投資主価値向上に寄与するという認識のもと、今後も環境負荷低減や地域コミュニティの活性化への取り組みを推進していくとしています。2020年7月期の業績は、営業収益1,902百万円、営業利益1,110百万円、経常利益971百万円、当期純利益970百万円となりました。

 底地と地方の商業施設がポートフォリオの中心で運用されているエスコンジャパンリート投資法人がDBJ Green Building認証に興味があるというのが意外ですね。tonarie大和高田、tonarie栂・美木多は底地では無いので頑張ってテナントを誘致していく必要があるということは理解できます。一応、商業施設についてはそれなりの知見がある日本エスコンがスポンサーなのでテナントポートフォリオについても考えていると思います。


有利子負債は全て長期なので、資金繰りには余裕あり

 2020年7月期の財務面については、2020年2月4日の商業施設3物件の取得に際し、2020年2月3日を払込期日として、公募による新投資口の発行を行い、5,236百万円の資金を調達しました。また、2020年2月26日を払込期日として、第三者割当による新投資口の発行を行い、261百万円の資金を調達しました。
 これらにより、2020年7月期末時点の出資総額は28,439百万円、発行済投資口の総口数は282,982口となりました。併せて、2020年2月4日に5,234百万円の新規借入れを行いました。2020年4月30日には、第三者割当による新投資口の発行による手取金を原資に借入金251百万円の期限前弁済を行い、2020年7月31日には、消費税の還付金を含む自己資金を原資に借入金373百万円の期限前弁済を行いました。これらにより、有利子負債残高は24,430百万円となり、LTVは43.6%となっています。2020年7月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・㈱格付投資情報センター(R&I)、発行体格付:A-、格付の方向性:安定的