2020年9月14日にいちごホテルリート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が2,216円のところ670円で着地しました。
ビジネスホテルだがインバウンド依存度が高いタイプのホテルが多い、けどインヴィンシブルよりまマシ
2020年7月期は期初に2ホテルの取得を行いました。NOIに向上に寄与そしもののコロナウイルス感染拡大によりホテル需要の落ち込みに伴い、ホテル売上も大幅に減少し、変動賃料が生じない状況となっています。今後も影響を受けることが考えられ、支出の削減策の検討等、分配金金の確保に向けた対策を導入するとしています。
既存物件の運用については変動賃料を導入するホテルを中心に、各ホテルオペレーターと連携を取ることで回復が期待されるレジャー需要の取込み強化や運営費用の低減を図るコストの適正化に取り組んだようです。これらの運用により2020年7月期の業績は営業収益953百万円、営業利益371百万円、経常利益171百万円、当期純利益170百万円となりました。いちごホテルリート投資法人はホテルの苦境に対し徹底的なコスト削減を重視することで乗り切るつもりのようです。コスト削減に付いていけないホテルについてはオペレーター変更を行っています。
ヴァリエホテル天神(福岡県福岡市中央区)
旧オペレーター:TheCOURT㈱
契約形態:変更なし
最低保証賃料:40,807,620円/年額
変動賃料:各四半期のGOP から各四半期の最低保証賃料、各四半期の売上に一定比率を乗じた額および各四半期のGOP に一定比率を乗じた額を控除した額
新オペレーター:博多ホテルズ(いちご㈱の関連会社)
契約形態:変更なし
最低保証賃料:46,416,444円/年額
変動賃料:当該月のGOP から、最低保証賃料および当該月のGOPに一定比率を乗じた額を控除した額
新オペレーターの選定にあたっては、経済条件等を総合的に判断し、複数の候補先から博多ホテルズを選定いたしました。本変更に伴い、最低保証賃料を一定額確保するとともに、変動賃料の算定基準を見直すことにより、ホテル収入の増加によるアップサイドが期待できます。また、当ホテルにはいちご㈱が開発したAIレベニューマネジメントシステム「PROPERA」を導入し、収益の最大化と顧客満足度の向上を図る。
→TheCOURT㈱はコロナウイルスによる感染拡大でやってられないのて賃料減額及びorそのまま解約を望んでいたことは容易に想像できると思います。「リブランドオープン予定」とすることでマイナスイメージを払拭することが狙いで、実際には賃料をスポンサーが補填したに過ぎず何も変わらないと考えられます。
グランパーク・イン横浜(東京都千代田区)
旧オペレーター:㈱ナインアワーズ
契約形態:変動賃料
賃料:GOP連動
【月額GOPが800万円以下の場合】月額GOP-100万円
【月額GOPが800万円超の場合】700万円+(月額GOP-800万円)×50%
GOPが100万円以下の場合、賃料は0円
GOLのオーナー負担はなし
新オペレーター:㈱ミドルウッド
契約形態:固定賃料
賃料:賃借人より同意を得られていないため、非開示としています。
オペレーター変更は、当ホテルにおけるミドルウッドとの定期建物賃貸借契約の合意解約に伴い、オペレーターを変更するものです。新オペレーターのナインアワーズは、カプセルホテル「ナインアワーズ」を全国で16 店舗、その他ホテル6店舗の運営実績を有するとしている。
新オペレーターの選定にあたっては、経済条件等を総合的に判断し、複数の候補先からナインアワーズを選定いたしました。変更に伴い、GOP連動の変動賃料契約を導入することによって、今後のホテル収入の増加によるアップサイドが期待できる。
→収益性の見込めた立地であるため変動賃料であったため固定賃料になったのは救いだと思います。ただ、㈱ナインアワーズよりも開示については非協力的。非開示は資産運用会社にも好都合です。説明責任の一端を逃れることができるためです。また、インバウンド需要を充てにしたビジネスホテルではなくカプセルホテルなので国内需要向けであるためオペレーター変更が価値があるかは疑問が残ります。
本当に自己投資口取得する気ある?
2020年7月期の財務面の動きについては2020年2月及び2020年5月に返済期限の到来する借入金(合計4,200百万円)の返済資金として、それぞれ同月に既存取引銀行からの借入れ(合計4,200百万円)を行いました。この結果、2020年7月期末の借入金残高は25,470百万円となり、LTVは43.6%となりました。
財務戦略について資本効率の向上及び投資主還元強化の観点から、財務、資本政策の一環として自己投資口の取得及び消却を行うことを検討するとしています。自己投資口の取得及び消却の検討にあたっては、中長期的な投資主価値の向上の観点から、財務状況、金融市場の状況等を慎重に見極めたうえで、可否を決定すると述べています。投資口価格が落ち込んだ時に早めに取得することができる機動性が必要なので実行にはまだ整備する問題があると思います。フロンティア不動産投資法人や平和不動産リート投資法人と比べると今更感がありますね。まあ、口で言うだけはタダですからいいんですけどね。
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