2020年7月期決算のJ-REITの収益性について分析しました。

・NOI利回り
20201004J-REIT(1・7月決算)・NOI利回り推移
20201004J-REIT(1・7月決算)・NOI利回り推移2

 NOI利回りのNOIは賃貸事業収入から賃貸事業費用を差し引き、減価償却費をプラスすることで算出しています。コロナウイルスによる緊急事態宣言環境下1月・7月決算の投資法人ももちろん緊急事態宣言の営業を受けているので多くの投資法人でNOI利回りが悪化しています。特にホテル特化型であるいちごホテルリート投資法人が一番悪化しています。2020年1月期のNOI利回りが6.055%なので2020年7月期は3.056%と約半分に減少しています。当然運用中のホテルほとんどが営業していなかったので収入を生み出せなかったので仕方ないといえば仕方ないですが。

 三井不動産ロジスティクスパーク投資法人、伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人、日本ロジスティクスファンド投資法人、産業ファンド投資法人と物流系J-REITは好調に推移していると思って良いと思います。この期間に資産規模の拡大を成し遂げている投資法人もあります。期中に取得した物件は計算期間に収益が満額寄与していないためNOI利回りが減少しているように感じますが、収益は上昇しているので実質的には上昇傾向にあります。テナント退去のリスクは存在しますが今後も成長が期待される銘柄だと思います。森ヒルズリート投資法人、東急リアル・エステート投資法人といったオフィスビル主力の投資法人ですが、意外に好調な結果となっています。これら2つの投資法人は内部成長とりわけコスト削減に注力したことも影響しています。東急リアル・エステートは修繕費が▲76百万円の削減に成功しています。森ヒルズリートは▲37百万円の水道光熱費の削減に成功しています。


・当期純利益率
20201004J-REIT(1・7月決算)・当期純利益率推移
20201004J-REIT(1・7月決算)・当期純利益率推移2

 1月・7月決算投資法人の当期純利益率の推移です。東急リアル・エステート投資法人は前期に売買
契約を締結していたTOKYU REIT赤坂檜町ビルの準共有持分割合51%を売却したことで703百万円を計上しています。 また資産入れ替えで日本ロジスティクスファンド投資法人は2棟の物件を売却し多治見物流センターで5,348百万円、八千代物流センターⅢで316百万円の売却益を計上しています。特に日本ロジスティクスファンド投資法人についてはコロナウイルスで物流施設の収益性と安定性を多くの関係者に見せつる結果となったのでこのタイミングば売却したことは勿体ないとも取れますが、今後ますます物流施設が市場に増えてくることが考えられるため、競争力に劣る物件は今の内に売却してしまおうという思惑も見えてきます。

 レジデンス系J-REITについては大人しい動きとなりましたね。レジデンスなので普段から大人しい
のですがコンフォリア・レジデンシャル投資法人はこれまで行ってきたコンスタントな物件売却を行いませんでした。稼働率も減少した物件があったものの当期純利益は3,523百万円と前期とほぼ同水準となっています。反対にアドバンス・レジデンス投資法人は2棟の物件売却を行い当期純利益は前期よりも▲624百万円減少し7,320百万円となりました。レジディア緑地公園では売却益73百万円を計上したものの、レジディア京橋の売却では▲432百万円の売却損を計上してしまったことが当期純利益減少の原因です。ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人もKDXレジデンス泉中央も売却益84百万円を計上しての売却を成功させ当期純利益は3,808百万円となりました。緊急事態宣言下でも不動産マーケット自体はホテルを除けば良好な環境だったと思います。