2020年10月2日にしんきんアセットマネジメントよりJ-REITマーケットレポートが開示されま
したのでご紹介致します。


 2020年9月のJ-REIT市場は、やや売りに押されました。上旬は、政権交代でも政策が継続されるとの観測は安心材料も、利益確定売りにも押され、一進一退の動きが続きました。その後は、Go To トラベルに東京が追加されるとの期待は買い材料も、オフィス市況の軟化を示すデータが重しになり、売りが優勢になりました。中旬は、決算が市場予想を上回った銘柄に買いが入ったことに加え、香港の投資ファンドが日本の不動産市場へ資金を投入すると伝わったことなどから一旦上昇しましたが、利益確定売りが広がり、上げを消す動きになりました。下旬は、長期金利が低下する中、値ごろ感からの買いなどから堅調な地合いが続きましたが、月末は株安を受けて売りが優勢になりました。

 今後は、引き続き一進一退の中、方向感を探る展開を予想します。東京都心のオフィス空室率が上昇していることは懸念材料ですが、8月時点で3.07%と依然として低い水準です。また賃料は80か月ぶりに下落しましたが、前年比では上昇が続いています。他方、菅新首相がアベノミクスを継承する方針を示していること、また日銀も大規模な金融緩和を継続する姿勢を示していることは安心材料です。超低金利環境が続く中、相対的に高い分配金利回りに着目した買いが市場を支えそうです。Go To トラベルに東京が追加されたことも下支え材料です。利益確定売りに押される場面もありそうですが、海外から不動産市場へ資金が流入する動きが広がると、上値を探ることも想定されます。
20201007しんきんアセット-REITマーケットレポート2020年9月

9月の主要指標

 東証REIT指数
  1,726.66円前月比(▲1.2%)

 東証REIT指数(用途別)  
  オフィス   1,599.81(前月比▲2.5%)
  住宅     2,871.79(前月比▲2.4%)
  商業・物流等 2,189.06(前月比+0.4%)


【出典:しんきんアセットマネジメントJ-REIT市場の現状と見通し】