2016年11月14日のグローバル・ワン投資法人の決算が発表されました。
当初の予想一口当たり分配金が7,000円のところ7,357円で着地しました。

大口テナントのフリーレント期間が終了。分配金は巡航ベースへ

 今期も少数精鋭の物件9棟での運用となりました。南青山・淀屋橋の大口テナント退去後の新規テナントのフリーレントが概ね解消し、分配金は巡航ベースになりましたね。賃貸事業利益率が前期以前は3期ぶりに50%を越えて52.88%です。決算説明会資料14ページには内部成長についての実績が示されていますが、賃料上昇テナントが減少テナントを上回っているため内部成長もうまくいっていると思います。物件数が少ないのでAM会社の地味な戦略でも利益に影響を与えやすくなっているので引き続き賃貸借契約更新案件には力を入れて欲しいですね。また、ついに物件取得に動き出すことをほのめかす決算説明会資料になっているため2017年4月期以降は分配金の予想を大幅に上回る可能性が出てきました。


LTVは50.3%、DSCRは6.81%借入れ余力拡大に向けてまだ手はある
20161118グローバル・ワン投資法人

 LTVはJ-REITの他投資法人に比べると高い水準です。リーマンショック前では6%以上が一般的と言われていたDSCRも最近のJ-REIT市場では10%を有に越える投資法人もあるため利息負担が重いイメージが有ります。しかしグローバル・ワンの場合、ローン契約のローン返済が期日一括弁済が多いため、期中で元本が減らず、LTVを低下させるための施策は特段考えている訳では無さそうですね。営業利益の何%が支払利息に充てられるかとい営業利益利子率は20%を越えています。つまり営業利益の20%が支払利息に充てられているということです。このままでは外部成長が行いづらいと思いますが、2017年4月期は物件の獲得に向けて前向きな内容が決算説明会資料の18ぺージに示されていることから財務戦略については金利の固定化、借入期間の延長など変化が起きるかもしれません。