米国REIT市場の状
20170309米国REIT指数

 2月上旬は雇用統計やISM非製造業景況指数が良好な内容で、株式市場が堅調に推移したことなどから、投資家のリスク選好的な動きが拡がり上昇した。また、トランプ大統領が税制改革案を近く公表する意向を示したことなども好材料となったことも理由です。中旬は イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が 議会証言で年前半の利上げに意欲を示して早期利上げ観測が強まったことなどから、上値が抑えられる結果となりました。下旬にかけては、REITの2016年10-12月期決算が概ね堅調な内容となったことなどから、リートの業績に対する見方が改善したほか、トランプ大統領が大規模なインフラ投資を実施するとの見通しを示したことなどを受けて、景気の先行きに対する期待が高まり上昇する展開となりました。
 やっと米国REITが上昇するきっかけを掴むことが出来たのではないかと思います。米国REIT市場は、リートの業績拡大が続いていることに加え、金利上昇によるREITの資金調達環境の悪化は軽微になると見込まれ、底堅い展開になると思われます。


欧州REIT市場の状況
20170309欧州REIT指数

 2月上旬の欧州REIT市場はユーロ圏の製造業購買担当者指数(PMI)改定値が市場予想を上回ったことなどにより、景気回復への期待が高まる一方、フランス大統領選挙を巡って不透明感が強まっていることなどから、欧州各国の国債利回りが全般に低下し、REITの利回り面での魅力が高まり上昇しました。その後、中旬にかけても、英国の住宅価格指数が市場予想を上回ったことから、同国の住宅市場に対して強気な見方が拡がり、戻りを試す展開となりました。下旬は大手REITの2016年通期決算が良好な内容となったことなどが好感されて続伸したものの、月末にかけては、英国の大手銀行が業績低迷を背景にリストラを継続する方針を示し、同国のオフィス市場の先行き不透明感が拡がったことなどから、上値の重い展開となりました。
 英国では、堅調な経済を背景に旺盛な不動産需要が続 いている。しかし、欧州連合(EU)離脱交渉が本格化するに連れて、企業のオフィス拡張意欲の低下が懸念され、REITの事業環境の悪化に対する警戒感が強まると考えられます。欧州REITへの投資には注意が必要ですね。


豪州REIT市場の状況
20170309豪州REIT指数

 2月上旬は豪中央銀行が金融政策決定会合後の声明で経済見通しについて前向きな見方を示したことなどから上昇しました。また、大手REITが投資額を大幅に上回る金額でオ フィス物件の投資持分を売却したことから、 オフィス市場に対する強気な見方が拡がったことも好感された。中旬は企業景況感指数が前月比で改善したことや、大手REITが予想分配金(配当金) を引き上げたことなどから、投資家心理が好転し続伸しました。 下旬は大手REITの通期決算が市場予想を上回る内容となったことなどが好材料となりましたが、商業施設を展開する大手REITの経営陣がオンライン小売業との競争激化に警戒感を示したことなどが嫌気され、 一進一退の展開となりました。
 今後の豪州REIT市場ですが経済面では、企業景況感の改善を背景に今後、雇用や設備投資の拡大が見込まれると想定されます。消費マインドも上向いているため、景気の拡大が続くことによって、不動産需要が増加すると予想されます。 金融政策面では、豪中央銀行は経済の成長を持続させるために緩和的な金融政策を維持する姿勢を示しており、景気を後押しする要因になると思われます。鉄鉱石などの金属資源価格が上昇基調となっていることから、資源関連企業の業績改善を通じてオフィスや産業施設の需要 好影響を与える可能性も有ります。


アジアREIT市場の状況
20170309アジアREIT指数

 2月のシンガポールでは、上旬は長期金利が低下したことを受けて、REITの利回り面での相対的な魅力が高まり、堅調に推移しました。 中旬は大手銀行の不良債権問題への警戒感が強まる中、投資家のリスク回避姿勢が拡がり、軟調な展開となりました。下旬は大手不動産会社の決算が良好な内容となったことなどが好感され、底堅い展開となりました。香港では、上旬は春節休暇中の中国の小売売上高が堅調であったことなどから上昇しました。 中旬は中国本土から香港の不動産に投資する動きが継続しているとの観測が拡がった ことなどから、高水準の不動産価格が持続するとの見方が拡がり続伸しました。下旬 香港への来訪者数が前年比で増加したことなどから、香港経済の先行き不透明感が後退し堅調に推移する結果になりました。
 アジアリート市場の今後はシンガポールでは、オフィスや商業施設の需給動向に改善の動きが見られることから、賃料の回復への期待が高まると考えられます。新規に開業した大型オフィスビルでは、大手金融機関などとのリース契約が順調に進んでいます。また、商業施設では、新規物件の稼働が少ない中、 空室率が低下しており、需給環境に改善の動きがみられます。香港では、オフィス市場で低い空室率が続いていることに加え、来訪者数や小売売上高に底打ち感が見られることから、REITの事業環境は改善すると考えられます。また、香港REITが中国本土で運営する商業施設では、契約更新時の賃料の増額改定が進んでいます。