J-REITの登場人物の紹介その2です。

投資法人は自力で投資物件(不動産、受益権)を管理することはできません。名目上、執行役員1人・監督役員2人しかいないのが一般的です。そのため不動産、受益権を管理してくれる会社が必要で、それがAM会社なのです。主にAM会社が行う業務は以下のものです。

 ①物件の購入・売却
 ・多くの場合、スポンサーを経由して物件を購入するので売買契約書の作成、  取得する際の法的チェックの対応(法務デューデリと言います。)が主な業務になります。AM会社が自分の意思で物件を購入することは稀です。なぜスポンサー経由で物件を買うのかについては別の項でご説明します。

 ②レンダー・投資家からの資金調達
 ・資金を借り入れる際の借入先の銀行・信託銀行のことをレンダーと言います。投資法人が資金を借り入れるときは投資物件を担保として「ノンリコースローン」という形態で借入れを行います。格付けを取得した投資法人は投資法人債(社債の一種)にて資金調達を行う場合もあります。
 ・投資家からの資金調達は市場から「増資」というかたちで行います。増資の方法には「公募増資」と「第三社割当増資」があります。リーマンショック時は第三社割当増資が多く行われましたが2014~2015年は公募増資が多くなりました。

 ③スキーム関係者との調整
 ・J-REITには登場人物が多いのですが一般事務受託会社、資産保管会社、監査法人などと調整をします。

 ④決算短信・有価証券報告書などの投資家に対する報告書の作成
 ・AM会社の仕事らしい仕事は「これ」です。J-REITは他の登場人物たちにアウトソーシングすることにより成り立っています。さらに上記でも記載しましたが、AM会社だけで物件の購入・売却を決めれるわけではないので投資家にとって重要な仕事は開示資料の作成のみということになります。


J-REITの仕組みバックナンバー

 
J-REITの仕組み・投資法人スキーム
 J-REITの仕組み①投資法人
 J-REITの仕組み③プロパティマネジメント会社(PM会社)
 J-REITの仕組み④レンダー(金融機関等)
 J-REITの仕組み⑤一般事務委託会社(会計事務)
 J-REITの仕組み⑥一般事務委託会社(証券事務)
 J-REITの仕組み⑦監査法人(会計監査人)
 J-REITの仕組み⑧資産保管会社