J-REITの登場人物の紹介その7です。この7までで大体の登場人物の紹介は一旦終了です。


 J-REITにおける資産保管とは具体的に何を保管しているかといいますと、運用物件の信託受益権証書等の保管を行うことになります。また、物件の賃料口座の通帳や投資法人の印鑑なども保管します。


 投資法人からこの保管業務を委託されているのは信託銀行です。信託銀行は投資法人から預かったこれらの資産を確実にかつ整然と保管する方法として法律で定められた方法により自己の固有財産と分別して保管する分別保管が義務付けられています。


 もし資産保管会社の業績が悪化したり破綻するようなことがあっても、資産保管会社は顧客である不動産投資法人から預かっている資産を売却・処分したりすることができない仕組みになっています。


 一般事務委託会社(会計)を信託銀行に委託している場合、ほぼすべての投資法人が資産保管会社は一般事務と同様の信託銀行に設定しています。


 投資法人から支払いを行う場合、インターネットバンキングなどを設定できる銀行口座であればインターネットバンキングで支払いますが、信託銀行の口座の中にはインターネットバンキングが設定できないものもあります。その場合、引き出し用紙、振込用紙に記入し支払うことになります。皆さまも銀行窓口で支払う場合、通帳を持っていきますよね?信託銀行も同じです。資産保管会社と一般事務委託会社(会計)が別々であると通帳の取得に時間がかかり、タイムリーな支払いが困難になります。


J-REITの仕組みバックナンバー


 J-REITの仕組み・投資法人スキーム
 J-REITの仕組み①投資法人
 J-REITの仕組み②アセットマネジメント会社(AM会社)
 J-REITの仕組み③プロパティマネジメント会社(PM会社)
 J-REITの仕組み④レンダー(金融機関等)
 J-REITの仕組み⑤一般事務委託会社(会計事務)
 J-REITの仕組み⑥一般事務委託会社(証券事務)
 J-REITの仕組み⑦監査法人(会計監査人)