テナントポートフォリオの重要性
 物流施設の立地にもよるところが大きいという前提はあるのですが、テナントのポートフォリオ
 がこれほど重要なアセットは物流施設以外に無いと思います。
 日本の経済状況が円安で国外への輸出が増加している場合は貿易会社がテナントとして入居して
 いる場合はもちろん物件の賃料は安定的に回収できることは皆さまも解ると思います。
 もし日本国内の景気が落ち込んだ場合はどうなるのでしょうか。当然、貿易会社のテナントは
 賃料減額を求めてきますし、より賃料の低い倉庫に退去するかもしれません。
 その後、どのようなテナントを入居させればよいのでしょうか。
 物流施設に特化して運用する日本ロジスティクスファンド投資法人、産業ファンド投資法人は
 リーマンショックも東日本大震災も経験しているロジスティクス系J-REITです。
 この2投資法人ともリーマンショック時は資金調達コストの増加や、分配総額は下がりましたが、
 稼働率は90%代後半を維持していました。
 東日本大震災に当たっては2011年3月11日が運用期間であった期についても産業ファンドは
 前期と比べ増配しています。
 震災時には被災地に救援物資を行う、「震災特需」に助けられたということがありました。
 つまり物流施設は震災時の復興の際に優先して整備されるアセットであることが伺えます。
 景気が下降線を辿っても人の生活に必要な日用品の重要度は変わりません。
 日用品の需要は底堅く推移するものであるため日用品の運送・保管を扱うテナントを見つけること
 ができればロジスティクス系J-REITであっても安定的な運用ができるということです。