2017年6月期決算のJ-REITの時価総額、含み益、稼働率の推移を見ていきます。


・1口当たりNAV

20170828一口当たりNAV
20170828一口当たりNAV2

 1口当たりNAVは総資産から資産の帳簿価額を差し引き、資産の鑑定評価額をプラスし更に総負債を差し引くことでNAVを算定しています。推移して見てみると1口当たりNAVはマリモ地方創生リート以外は上昇していることが解ります。含み益が上昇しているので当然と言えば当然なのですが、1口当たりNAVは一般株式でいうPBR(1口当たり純資産)に匹敵する指標なので投資口を購入する際の重要な指標の1つです。期末の各投資法人の投資口価格と比較するとMCUBS MidCity投資法人以外は1口当たりNAVが期末投資口価格を上回っています。MCUBS MidCityの場合は物件取得時の価格が高いことが尾を引いているため売却し資産入れ替えを行っていかないと改善はしないと思います。

 ただ、最近気になるのは7月から8月特に8月はJ-REITの投資口価格が大きく落ち込んでいます。特に出来高の少ないJ-REIT銘柄については乱高下が激しい状態にものも有ります。また、雨が非常に多いいこともあり、ホテルの保有割合の高いホテル系J-REITについてそれが顕著な気がします。夏季はどこのホテルも繁忙期であるため特に大型ホテルを中心に宿泊者は予約を前もって行っています。特に夏季やお正月は休みも決まっているケースが多いのでキャンセルにより宿泊者が減少する可能性は少ないと思っています。むしろシティホテルやビジネスホテルの方が行楽シーズンでの客室稼働率の減少が心配されるところだと感じます。



・含み益

20170828含み益
20170828含み益2

 含み益は鑑定評価額-帳簿価格で算定しています。6月決算の投資法人も相変わらず鑑定評価額は毎期上昇しています。上記でも触れましたがMCUBS MidCity投資法人のみ含み損状態です。毎期の減価償却費分だけ簿価は減少するので鑑定評価額が上昇しなくとも含み損を解消することは可能です。しかし、MCUBS MidCityの場合、ツイン21や松下IMPビルという大型旗艦物件で含み損を出しているのでこれらの物件については含み損の解消は難しいと考えられます。まあ旗艦物件を売却する可能性は低いと思いますが・・・。

 含み益が大きいということは物件の売却価格を有利に決定することができます。つまり出口戦略を立てやすくなることを意味しています。多額の修繕費や建替えを検討しなくてはならなくなった場合に分配金に与える影響を少なくするため各投資法人は売却益を留保する戦略が最近は多くなってきています。含み益の存在は長期における安定性を向上させることになるので含み損があるか無いかは重要です。



・稼働率

20170828稼働率
20170828稼働率2

 2017年6月期の期末稼働率は98%台と高い水準で推移している投資法人が多いので安定していると言えると思います。このサイトでは期末稼働率のみを取り扱っていますが、多くの投資法人が毎月の稼働率を算定していますが6月期決算のJ-REIT銘柄についてはどこも優秀です。ちなみに前回まで産業ファンド投資法人も開示していましたが、産業ファンド投資法人は決算期を変更し1月・7月決算に変更するようなので今回のグラフからは除外しています。

 MCUBS MidCity投資法人は稼働率が割と落ち込み安く笹塚センタービルや横浜クリエーションスクエアは期末の稼働率がそれぞれ73.4%、88.1%と90%下回る水準なのでもう少しリーシングに力を入れて欲しいですね。関西圏主体の投資法人なので関東圏のオペレーションは苦手なのかもしれませんが、投資家のために頑張って欲しいですね。