一般社団法人日本ショッピングセンター協会から2017年6月時点のSC販売統計調査報告が公開されておりますのでご紹介致します。

20170928商業施設統計

 8月度の既存SCの売上高は、総合で前年同月比+1.9%となり6ヶ月連続で前年を上回りました。テナントは同+2.6%(6ヶ月連続プラス)。一方でキーテナントは同▲0.5%(9ヶ月連続でマイナス)となりました。立地別の総合では、中心地域が同+1.8%、周辺地域が同+2.0%となりました。大都市中心地域は前月5ヶ月ぶりに前年同月を下回りました、8月度は同+2.9%(前月は同▲0.4%)と回復しました。地域別では、全9地域のうち、北陸(同▲0.8%)と四国(同▲3.3%)を除く7地域で前年を上回りました。都市規模別では、政令指定都市の総合が同+2.3%、その他の地域も同+1.7%となり両者ともに前年を上回った。業種毎の販売動向をみると、テナントでは飲食、サービスが好調との回答が多くみられたようです。一方で不振業種としては先月と比較して減少がみられたものの婦人衣料をあげたSCが最も多かった。キーテナントは、食物販(生鮮食品・加工食品)が好調、衣料品が不振との回答が多くみられました。

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 8月は特に北日本・東日本では月を通じて曇りや雨の日が多く、気温も平年を下回る日が続きました。そのため、夏物の商品に苦戦したとの声が聞かれたが、一方で秋物の商品が早目に動き始めたとの声も聞かれたようです。前年8月は4個の台風が上陸する荒れた天候となったが、今年は月前半に1個上陸と平年並み。夏休みやお盆休みの外出先として雨の日でも利用しやすいショッピングセンターにはプラスに作用したと考えられます。

【出典:一般社団法人日本ショッピングセンター協会SC販売統計調査報告 2017年08月】

 個人的にはロードサイド型の商業施設を保有するケネディクス商業リートやイオンリートに入居中のテナントには好調な夏だったのでは無いかと思います。気温が上がらなかったり、雨が多いなどの場合はアパレル関係のテナントは機敏に商品を入れ替えたりしなければならないので明暗が分かれそうではあります。リテール系J-REITとしては飲食系のテナントの方が変動賃料は獲得しやすいと考えられます。