アドバンス・レジデンス投資法人の資産運用会社であるADインベスト・マネジメント㈱は、パナホーム㈱との間で、不動産情報提供に関する協定書を締結しておりましたが、2017年9月24日にて同協定書の期間が満了したと発表しました。
 なお、今後の投資法人の業績に与える影響は軽微であり、2017年9月6日発表の運用状況の予想に変更は無いとしています。

パナホーム㈱との協定終了にデメリットはあるのか?

 アドバンス・レジデンス投資法人はスポンサーの伊藤忠商事㈱、伊藤忠都市開発㈱のほか、㈱新日本建物、㈱センチュリー21・ジャパン、東京建物不動産販売㈱など協力など協力なパイプラインをもっていますし、資産運用会社(AM会社)は㈱学研ココファンホールディングスと不動産情報提供に関する協定書を結んでいることから特段パナホームの情報にメリットが無いということだと思います。

 パナホームも主力は戸建てですからね、あまり投資法人と組していても特に利益獲得には繋がらないと思います。アドバンス・レジデンスの物件はブランド構築を前面に押し出した、「RESIDIA」を導入しています。そのため投資家の利益となると分かっていてもパナホーム㈱の物件は取得する可能性は低いということが言えます。

 さらに取得した物件のPM会社も伊藤忠アーバンコミュニティ㈱に変更しているのでパナホーム㈱が介入する余地はほとんど無いと考えられます。

協定書を結んでいる㈱学研ココファンHDのメリットは?

 気になるのはパナホーム㈱の代わりにAM会社と不動産情報提供に関する協定書を結んでいる㈱学研ココファンホールディングスですが、この会社はサービス付き高齢者向け住宅の運用を主力としている会社です。アドバンス・レジデンスにとってはヘルスケア系の物件情報を取得できるというメリットが有ると考えられます。現在上場しているシニア系J-REITのようにがっつり老人ホームを取得する可能性は低いと思いますが、サ高住なら十分取得機会が有ります。

 野村不動産㈱等の大手不動産企業は今年に入りサ高住の新ブランドを立ち上げたり、建設・竣工が進んでいます。マンション、ショッピングセンター、病院・子育て支援施設等が組合わされた地域交流によるコミュニティ形成が図れる物件が今後のマンション開発の新しい流れになっているようです。そのため㈱学研ココファンHDにこれらの物件売却の情報が流れ込んでくる可能性は十分あると考えられます。