2017年10月13日のGLP投資法人の決算が発表されました。
当初の予想一口当たり分配金が2,467円のところ2,240円で着地しました。

OTA戦略は投資法人に有利な契約で◎

 2017年7月14日付にて、既存物件のうちGLP辰巳Ⅱb及びGLP成田Ⅱの2物件に係る信託受益権(譲渡価格合計:5,070百万円、売却益:324百万円)を譲渡するとともに、2015年7月14 日付にて売買契約を締結していた OTA対象資産である GLP野田吉春につき、2017年9月1日付で取得することを決定し、ポートフォリオの安定性と質の向上に資する資産の入替えを企図しました。

 加えてスポンサーである GLP グループが保有・運営する優先交渉権対象物件からの取得についてスポンサーと交渉を行い、関東・関西の伝統的な物流プライムエリアに立地する4物件(GLP舞洲Ⅰ、GLP三郷、GLP浦安及びGLP船橋Ⅱ)について、2017年8月29日付にて、三井住友ファイナンス&リース㈱が GLP グループとの間で売買契約を締結するのと同時に、SMFLからの4物件の取得に係る売買契約を締結。契約の締結は、適切と判断する時期及び方法による資金調達により4物件を取得することを目的としています。

  保有物件については、先進的物流施設に対する需要を背景に、賃料の増額改定に努め、上場以来10期連続で、契約期間の満了日翌日を開始日とする賃貸借契約の締結又は契約期間中の賃料改定(賃料改定条項に基づく自動的な賃料改定を除きます。)を行った全てにおいて、従前の契約と同額以上の賃料水準で再契約又は新規の契約を締結しているとしています。

 2017年8月期末時点において保有する物件数は61物件、取得価格合計は438,098 百万円、総賃貸可能面積は2,126,567.61㎡となりました。また、ポートフォリオ全体の稼働率は安定的に推移しており、稼働率は99.9%。2017年8月期末の鑑定評価額合計は521,988百万円となっており、含み益は98,035百万円、含み益率は23.1%に達しました。


財務面は良好な水準だが、任意期限前弁済には要注意
20171015GLP投資法人LTV・DSCR推移

 財務戦略はLTV60%を上限の目途としつつ、当面は45%から55%を目安に機動的に運営を行う方針であり、安定的な財務運営を行うとともに、良好な資金調達環境を背景に、借入金の長期化とコストの抑制を行っています。2017年6月26日付にて、借入極度額6,000百万円のコミットメントラインに関する契約を更新し、引き続き新規物件の取得、既存借入金の返済(投資法人債の償還を含みます。)及び敷金の返還にあたり、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保しました。
 また、同年7月31日付にて上記の既存2物件の譲渡による手取金及び手元資金により比較的高金利の長期借入金5,000百万円を期限前弁済するとともに、当該2物件を譲渡することで生じた不動産等売却益の一部を活用して金利スワップ契約の解約を行うことで、金利コストを削減し、収益性の向上を図っています。

 上記の結果、2017年8月期末時点の有利子負債残高は212,440百万円(借入金残高184,940百万円、投資法人債残高27,500百万円)、LTVは48.0%となっています。
 金利スワップ契約を相変わらず締結していますが、POの時に要注意ですね。余った資金で任意期限前弁済をされた日には解約損が多額に発生することが考えられます。そして来季は支払利息分だけ利益が上振れするからいいでしょ?という言い訳で煙に巻くわけです。