2017年12月1日に格付機関であるMoodys(ムーディーズ)でが日本アコモデーションファンド投資法人の発行体格付け取り下げると発表しました。


 Moodysは2017年9月28日には日本ロジスティクスファンド投資法人について発行体格付けをA1(安定的)からA1(ネガティブ)に変更したばかりです。2017年12月現在J-REITに対して一番厳しい印象を持ちます。2017年2月期まではA3(ポジティブ)の評価を得ていましたが、2017年8月期からA3(安定的)と格下げになっています。


 個人的には日本アコモデーションファンド投資法人については特に大きく悪いポイントは無いという印象です。2015年8月期以降1年に3棟のペースで公募増資も絡めず地道に外部成長を続けており、分配金も右肩上がりで上昇しています。賃貸事業利益率も53~54%台で推移しており運用面は問題無いと思います。


 強いて上げるとすればLTVが50.2%となっていることくらいです。J-REIT全体として高い水準ですが、レジデンス系J-REIT資産規模トップのアドバンス・レジデンス投資法人も直近ベースで49.6%、日本賃貸住宅投資法人については51.8%、スターツプロシード投資法人は48.9%です。恒常的にレジデンス系J-REITはLTV水準が高めであることはマイナスに働いていないと思われます。日本ロジスティクスファンド投資法人では純有利子負債/EBITDA倍率及び償却前総資産有利子負債比率がネックとなって評価が格下げになったことを考えるとやはりLTVが高いということだと思います。また純有利子負債/EBITDA倍率「EBITDA」の成長根拠についてMoodysは保守的に考えているのではないかと感じます。


 EBITDAのベースとなるのはやはり賃料収入でしょうから日本のレジデンス、特にマンションやアパートが供給過多になっている状況をMoodysがネガティブに捉えているのではないかと考えています。また、上記で述べたように日本ロジスティクスファンド投資法人の格付けも下がっていることも考えると日本の不動産マーケット自体について今がバブルと考えているのかもしれません。


 それよりも日本アコモデーションファンド投資法人がムーディーズの発行体格付けの取下げるという決断をしたことの方が残念ですね。スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン㈱、㈱格付投資情報センター(R&I)からも格付けを得ているので1つの評価機関が格下げしても1意見として受け入れれば良いのにと思ってしまいます。 格下げの評価を付けられても決算説明会その他の資料で「うちは問題ないと思っています。」という資料ないしプレスリリースを開示すれば良いのではないでしょうか。第一、「取下げの理由が格付けに関する効果及び費用等を総合的に勘案した結果、上記格付けの取下げ依頼を行うことといたしました。」で説明できるとでも思ってるんですかね? 


 個人的にはケネディクスが物件取得や物件交換の時に行うように「これを止めたらこういうメ
リットがあるよ」的な補足資料を開示してくれることを望んでいます。