気象庁が12月11日、「ラニーニャ現象が発生しているとみられる」と発表しました。
 
 「春には平常の状態になる可能性もある(40%)が、ラニーニャ現象が春まで続く可能性の方がより高い(60%)」とのことで、ラニーニャ現象が起きた場合、日本では「ラニーニャ現象が起きると、日本は冬型の気圧配置が続きやすい状態が作られる。そのため、日本付近では寒くなりやすい」とコメントしたようです。

ラニーニャ現象とは

 ラニーニャ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて、海面水温が平年より低い状態が続くことを言い、発生すると日本を含め世界中で異常な天候が起こると考えられています。
 太平洋の赤道付近では、東から西へ貿易風が常に吹いている。この貿易風によって海面付近の温かい海水は西側に引き寄せられ、東側では深いところから冷たい海水が湧き上がる。つまり、海面水温は東側で低く、西側で高い状態となる。
 これによって、温かい西側では蒸発が盛んで積乱雲が発生する。貿易風がより強くなると、西側で温かい海水がより厚く蓄積し、東側では冷たい海水の湧き上がり強くなる。
 日付変更線付近から南米・ペルーに沿岸にかけての海面水温が平年より低くなり、この状態が続くことをラニーニャ現象と呼ぶ。


インフラファンドの発電所には影響するのか?
20171225ラニーニャ現象の発生確率

 ※エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値が+0.5℃以上/-0.4℃〜+0.4℃/-0.5℃以下の範囲に入る確率を、それぞれ赤/黄/青の横棒の長さで月ごとに示す。気象庁の定義では、5か月移動平均値が+0.5℃以上(-0.5℃以下)の状態で6か月以上持続した場合にエルニーニョ(ラニーニャ)現象の発生としているが、エルニーニョ監視速報においては速報性の観点から、実況と予測を合わせた5か月移動平均値が+0.5℃以上(-0.5℃以下)の状態で6か月以上持続する場合に「エルニーニョ(ラニーニャ)現象が発生」と表現している。


 ラニーニャ現象が発生してしたら日本にも当然影響があります。日本に影響があった場合インフラファンドの発電効率に影響が出たりするのでしょうか?。
 まず、ラニーニャ現象が日本に与えるプロセスとして海面水温が平年より高い東南アジア付近で、より活発に積乱雲が発生します。このような状況下では、西から吹く偏西風に影響が及ぶが傾向あり、平年よりも偏西風が蛇行することになります。。この蛇行で日本付近は寒気の影響を受けやすくなり、平年より冬は寒い傾向にあると判断される訳です。気象庁によると、この冬にも同様の流れが起きると予想しているようです。
 インフラファンドのメガソーラー設備のソーラーパネルの温度に対する出力低下率は1度の温度上昇にあたり0.4%という数値がよく参照されます。少し前までは0.5%が一般的でした。出力の基準はパネルの温度が25度の時なので、パネル面が10度になれば6%出力が減る(温度係数0.4%の場合)というように簡易的に計算することができます。
 冬場はパネル面が冷えてパフォーマンスが向上するので、出力以上の発電量が得られている例が多いのです。つまり、200Wのソーラーパネルが210Wh/時発電するような事態が発生する訳です。夏場は日射量が一番多いのですが、雨や曇りも多いため発電量はそれほど大きくなく逆に冬場は晴天が多いので夏場以上の発電効率が向上し、結果として発電量が多くなるという理屈です。

 結局、気温による発電効率はメガソーラー設備の立地にもよりますが4%~6%程度の低下率と考えられるのでインフラファンドの発電効率に致命的な影響を与える可能性は低いと考えられます。ただし、民間の太陽光発電と違いタカラレーベン・インフラ投資法人が毎月開示している太陽光発電設備月次発電電力量に関すしお知らせによると10月以降から発電電力量は大きく減少しているのでインフラファンドの場合は冬場に夏場以上のパフォーマンスを記録することを難しいと考えられます。
 結論としてラニーニャ現象の発生によりインフラファンドの収益に影響する可能性は低く、むしろ冬場の日照時間の短さや、降雪の影響により発電効率が下がり夏場ほどのパフォーマンスは期待しずらいと考えられます。