日本賃貸住宅投資法人が2018年1月11日に運用中のレジデンス、サテラ永山の譲渡を決定したと発表しました。

譲渡資産の概要

  ①譲渡資産  サテラ永山  (不動産)
  ②譲渡価格 370百万
  ③帳簿価額 326百万円(2017年9月末)
  ④鑑定評価額 365百万円(2017年9月時点)
  ⑤譲渡契約締結日 2018年1月11日
  ⑥譲渡日 2018年1月18日 
  ⑦譲渡先 非開示
  ⑧譲渡の理由 長期的に安定した利益配分を実現するため、①東京 23 区を中心とした首都圏及び首都圏以外の地域トップクラスの物件(原則、共に1物件 10 億円以上)の新規取得と、②運用効率等向上を主たる目的とし、原則、首都圏以外の小型物件(特に、1物件5億円以下)の譲渡により、本投資法人の『資産規模の継続的拡大とポートフォリオの質の向上』を目指しており、 譲渡物件は北海道旭川市に保有する唯一の物件)、譲渡価格が鑑定評価額を上回ることから、本件譲渡を決定したとのこと。


物件売却のメリットは?

 サテラ永山は北海道旭川市のレジデンスです。日本賃貸住宅投資法人は直近の2017年9月期で既に17棟の北海道のレジデンスを運用しています。そのほとんどが札幌市に集中しています。札幌市ほど重要な拠点では無いので物件自体の優先度も低いものと考えられます。賃貸事業利益ベースでも貢献利益は0.2%程度なので築20年のレジデンスを売却するということは築年数ポートフォリオが上昇するのでメリットは有ると思います。そして鑑定評価額以上での売却であり、かつ、物件の売却益も計上される予定なのも大きなポイントですね。地方都市の物件に投資する時に1番気にするのは収益よりも出口戦略で優位に立てる物件なのかどうかという点です。譲渡先は非開示となっていますが、地元の企業やその地域に思い入れがない限りは譲渡先が見つかったことはポジティブに受け取って良いと感じます。

 レジデンスだけでなくJ-REIT全体で北海道の物件を最も多く保有しているのが、この日本賃貸住宅投資法人です。そして築年数も若い物件が多いので北海道の商圏などについての情報やノウハウは最も保有していると考えられます。今後の課題としては肝心な東京都内の物件に築年数20年~30年の物件が多くなってしてまっているということ。2017年9月期ベースでジョイ尾山台が32.2年、ルミエール八王子が31.6年、 ターキーズ田園調布第2が28.7年と他にも埼玉県、千葉県に築古物件が多くなっています。特にレジデンスは築年数が稼働率に結びつきやすいので関東エリアの物件をどう取得できるか?が焦点になりそうです。