2018年2月19日にマリモ地方創生リート投資法人の決算が発表されました。
当初の予想一口当たり分配金が3,394円のところ3,431円で着地しました。
尚、利益超過分配金が544円含まれています。

NOI利回り7%台で回していることは高評価

 2017年12月期においては、2017年9月1日にMRRおおむたにおける未消化容積(注1)を活用した新たな建物の建築 (増築)部分を新規に取得しました。また、全物件において、AM会社とプロパティマネジメント会社である㈱マリモの各拠点との一体的なプロパティマネジメント業務の推進を通じて、各地域の特色を踏まえ たリーシング活動や個別物件の特性・稼働状況を踏まえたテナント募集条件の設定などを行い、さらに、レジデンスの水廻り設備及びデザイン性・耐久性に優れた床材へのバリューアップ工事を行うなど、保有資産の稼動率 向上に向けた運用を行いました。この結果、2017年12月期末における保有資産(18物件、取得価格の合計 16,825百万円)の稼働率は98.7%、期中平均稼働率は98.7%となりました。また、コスト削減につきましても、アルティザ東別院にて電力供給会社の切替えによる水道光熱費の削減、アルティザ上前津およびMRRデルタビルにて共用部照明器具のLED化をそれぞれ実施しました。前期のNOI利回りが7.134%で、当期が7.173%なのでかなりNOI利回りが良いという点が特徴ですね。地方物件中心なので取得価格が低く抑えられている点がプラスは働いていますね。
 上記の結果、当期の業績は、営業収益755百万円、営業利益314百万円、経常利益263百万円となり、当期純利益は262百万円となりました。投資口1口当たりの分配金は2,887円となりました。


LTVは高めであり、物件取得により増資連発の可能性が高い
20180227マリモ地方創生リート投資法人LTV・DSCR推移
 
 2017年12月期においては、2016年8月1日付にて借入れた短期借入金(トランシェA:借入残高708百万円)について、208百万円を手元資金にて返済し、残額の借換資金として、㈱三井住友銀行、㈱広島銀行及び三井住友信託銀行㈱より、2017年8月1日で短期借入金(個別貸付契約)500百万円の借入を行いました。 長期借入金(借入額8,307百万円)のうち、7百万円について2017年8月1日付で、また、7百万円について平成 29年11月1日付で、手元資金により約定返済を行いました。
 この結果、2017年12月期末時点における借 入金残高は、9,432百万円となり、LTVは、49.5%となっています。
 日本銀行の金融緩和政策の効果により、全銀協日本円TIBORの3ヶ月物の推移は、2017年10月4日までの直近1年間は0.05727%と非常に安定した水準で推移しており、2017年12月期においても 0.06727%と0.01%の上昇に留まっています。今後においても金利上昇トレンドは継続していくと思いますので財務戦略としては間違っていないと思います。ですがTIBORは支払利息計算の計算に直接影響を与える数値なので推移には注意していく必要がありそうですね。