日本リテールファンド投資法人が2018年4月4日に保有資産のmozoワンダーシティについて2018年春から冬にかけてリニューアルを実施することを決定したと発表しました。
リニューアルの背景
mozoワンダーシティは2009年4月にオープン以降、東海エリアNo.1の売上を誇る大型ショッピングセンターとして順調に売上を伸ばしてきました。2015年9月には大規模リニューアルを行い、約7割のテナントの入替(移転・改装含む)を行うと共に、「mozo公園」をコンセプトに、施設全体を公園に見立てた環境デザインに刷新し、周辺競合施設と差別化した施設作りに取り組んできました。
一方で、同リニューアル前後から、東海エリアでは大型商業施設の新規開業や増床が相次ぎ、今後についても引き続き新規供給が見込まれている状況です。このため、大型区画を中心に定期建物賃貸借契約が満了を迎える2018年春から冬にかけて、物件としては2回目のリニューアルを実施することで、競合激化の環境下においても、東海エリアNo.1ショッピングセンターとして売上・収益の維持向上を目指すとしています。
リニューアルの具体的工事内容
①テナント入替
開業以来一度も入替がなかった大型区画を中心に、周辺競合施設と差別化できる新規テナントを複数誘致し、集客力を強化します。また、大手セレクトショップ等の高感度テナントを多数誘致することで、更なる客単価の向上を図る。
②館内共用部の改修
物件のトイレ、ベビールーム、キッズスペース等の館内共用部は、開業から9年が経過し劣化が目立っていることや、近隣に近年開業した大型商業施設と比較して陳腐化していることもあり、リニューアルに合わせて改修工事を実施する。
③西側エントランスの整備
物件西側エントランスは、名鉄犬山線・地下鉄鶴舞線「上小田井」駅利用者のメインエントランスであり、入館者が最も多い入口であるため、雨天対応の屋根を設置すると共に、駐輪場を一部移設して広場を新設。お客からの設置要望が高かった、休憩スペースの拡充を行う。
リニューアルオープン予定
2018年4月20日新規5店舗オープン、2018年夏から冬にかけて、順次新規・移転・改装店舗オープンで館内共用部改修及び西側エントランス改修工事は2018年10月完了を予定しています。
このmozoワンダーシティについては有報ベースで見る限り賃貸事業利益合計のうち約6.4%程を占める物件なのですが、NOI利回り約5.9%、NCF利回りでは約5.6%と運用中のポートフォリオの中では中堅物件といった感じです。何気に償却負担も重いのでリニューアルによる資本的支出工事で更に償却負担が大きくなり収益を圧迫するのではないか?という不安があります。リニューアルの背景にしても業績好調というよりは競合他社の出現による対応なので高い賃料で入居してくれるテナントを獲得できているのか?という点も疑問が残ります。3年に1度はリニューアルしないと競争力が維持できないとすると3年ごとに減価償却費の負担は増えていくことになるので最低ではも償却負担以上の賃料を中部地方で獲得できるのか?と考えれば考える程微妙ですね。
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