GLP投資法人のホームページにてリリースされていた2017年度DEALWATCHAWARDS受賞について何がどうなんだ?と感じる方も多いと思います。今回はGLP投資法人が自慢げに公開しているこの件についていったいどのようなものか説明していきたいと思います。
DealWatchAwardsとは
トムソン・ロイター・ジャパン㈱が主催するDEALWATCH AWARDSは日本関連の資本市場の育成・拡大に資することを目的に、1995 年に設置され、国内資本市場において優秀な債券や株式を発行した発 行体、海外でオファリングを行った本邦発行体および案件を運営した証券ハウスに贈られるものです。
日本関連の資本市場の育成・拡大に資することを目的にしているため、各賞を設置しています。各賞なのでいくつかの部門賞が有ります。現在は7部門が存在しています。
総合部門、社債部門、地方債部門、サムライ債部門、株絡み商品部門、株式部門、不動産投資信託証券部門の7つです。
DealWatchAwardsの選考方法
選考はまず主幹事実績やシンジケート団参加の実績がある引受ハウスや投資家にアンケートを依頼し、該当会計年度の案件から各部門の受賞候補を選定します。(引受ハウスは引き受け証券会社と理解していただければ良いと思います。)
選定された候補案件、候補者をDealWatch Awards判断基準にのっとり、DealWatch編集部がさらに吟味・選考し、最終的に受賞案件、受賞者を決定します。
「本邦市場が世界の主要市場としてさらに発展していく」という観点から、授賞の主な判断基準は、発行市場におけるプライシングが適正であったか、流通市場に移行した後の価格形成はどうであったか、資本市場の発展に、どのような貢献、創意・工夫が為されたか等となっています。
2016年の株式部門受賞者はリクルートホールディングス、富士通、九州旅客鉄道、農業総合研究所、LINEが受賞しています。J-REITDealoftheYearは三井不動産ロジスティクスパーク投資法人が受賞しています。
今回の受賞については払込日: 2018年3月1日の公募増資がポイントとなっておりトムソン・ロイター・ジャパン㈱は601億円と本年度最大のJ-REIT案件で、スポンサーであるGLPの株主が異動し非上場化されて初めての増資。米国の金利上昇をきっかけに J-REIT市場が急落する環境下での厳しい案件運営となったが、借り入れ余力を高め、分配金を増やすなど、投資主価値の向上を実現してスポンサーが変わらぬコミットメントを示した。とコメントしています。
GLP投資法人については証券会社の引受手数料割合は特段高くないと思うのですが、選考の第一ステップが証券会社や機関投資家のアンケートに寄るので引受手数料如何ではこの賞は買収できてしまう可能性があるということには注意したいですね。サスティナビリティ資格のように最近は企業が資格取得に走るようになっているので投資家さんは騙され勝手に良い会社、良い投資法人だと良いように解釈しないように気を付けてください。
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