2018年5月31日に開催された第2回投資主総会決議において投資法人規約の一部変更が行われました。決議されたのは定番の役員の人事関連の他に「合併報酬」の記載が盛り込まれることになりました。

吸収されるのはあんた達だろ

 新たに新設された合併報酬に関する事項には以下のように記載されています。「本投資法人の新設合併又は吸収合併 (本投資法人が吸収合併存続法人となる場合及び吸収合併消滅法人となる場合を含む。 )の相手方の保有資産等の調査及び評価その他の合併に係る業務を実施し、当該合併の効力が発生した 場合、当該相手方が保有する不動産関連 資産及び海外不動産保有法人関連出資のうち当該新設合併の新設合併設立法人又は当該吸収合併の吸収合併存続法人が承継し又は保有するものの当該合併の効力発生日における評価額の合計額に1% (但し、利害関係者に該当する0.5%)を上限として別途本投資法人と資産運用会社が合意する料率を乗じた金額(1円未満切捨て)とする。 合併報酬は、当該合併の効力発生後2か月以内に支払う。
 なお、資産運用会社 は、当該合併の効力発生後1か月以内に本投資法人に請求するものとする。また、新設合併の場合には、新設合併設立法人が、本投資法人が吸収合併消滅法人となる場合には、吸収合併存続法人がそれぞれ支払いを行うものとする。」とされています。
 これはさくら総合リート投資法人が合併する際に吸収する側でも、吸収される側でも一定の金額がスポンサーに流れるようにセットしたものと考えられます。しっかりとした運用方針を持っていればそもそも合併報酬の規定は必要ないですし、資産規模拡大のために合併を計画していたとも考えられますが、物件の質・スポンサーの信用力ともにどう見てもさくら総合リートは「吸収される立場」です。スポンサーとして逃げ道も美味しくしたいという意向の表れではないかと思っています。


信用金庫からの借入れを視野に入れていることは〇

 他にも再生可能エネルギー発電設備や公共施設等運営権の取得・運用の対象として盛り込んだりと細かな追加・修正もありますが、唯一評価できると感じたのは第32条3に追加された「信用金庫法(昭和26年法律第238号。その後の改正を含む。)に基づく出資」 も視野に入れているということです。大手企業にお勤めの方には馴染みは無いかもしれませんが、信用金庫から借入れるには先に信用金庫に数万~数百万円程度の出資が必要になります。これは信用金庫は銀行ではないので「組合員にしかお金を貸せない」ため必要になる手続きです。
 これはさくら総合リート投資法人が信用金庫からの借入れも視野に入れているということだと感じます。最近は地方銀行の収支が悪いというニュースもありました。地方銀行の収支が悪いということはより融資に際しての制約が厳しく、規模の小さい信用金庫はもっと苦戦しているということは皆さんも想像がつくかと思います。この時点で地方銀行や信用金庫から借入れようとすれば投資法人に有利な金利で融資を受けられる可能性も高いと思います。特に地方物件の取得では効果を発揮することになるのではないかと思います。東京都内でも巣鴨信用金庫や西京信用金庫、多摩信用金庫など特に23区外でそれなりのシェアを持っている信用金庫についてもバンクフォーメーション構築で利用できると考えられます。