日本再生可能エネルギーインフラ投資法人が2018年6月1日に出力抑制案件の投資割合の上限の変更による運用ガイドラインの変更を行いました。

ガイドライン変更の理由

 日本再生可能エネルギーインフラ投資法人は、これまで、安定した資産の運用を行い、利益の減少リスクを抑制するため、上場インフラファンド 4 銘柄中唯一、投資法人の投資方針を定める本管理会社の運用ガイドラインにおいて、出力抑制案件(無制限かつ無保証の出力抑制の対象となり得る再生可能エネルギー発電設備等)の投資割合に上限を設け、当該上限を15%としていました。しかし、現在、一部の離島を除いて出力抑制は発生しておらず、また各電力会社の出力抑制の見通しについては、将来の原子力発電所の再稼働及び新たな再生可能エネルギー発電設備の稼働を前提としていますが、原子力発電所の安全性の審査等が予定より遅延していること等から、短期的には大きな出力抑 制は発生しないことが見込まれるため、出力抑制案件の投資割合の上限を緩和し、出力抑制案件であっても 投資適格と見込まれる資産に投資できる機会を増やし、早期に本投資法人の運用資産の拡大を図ることが、 資産規模の拡大によるリスク分散や収益の安定化等の効果が期待でき、投資主価値の向上に資するものと判断したようです。


出力抑制とは?

 出力抑制がついている発電所の投資割合を15%としていたところ30%増加させるということなのですが、この出力抑制がインフラファンドの将来性を不安視させるものの一つです。これは発電所が電力会社に送電する電気をパーコンディショナを使いコントロールする必要があるという2015年1月26日に改正された再エネ特措法のルールです。つまるところ発電しても売電できない電気があるということなので発電所の売電収入は減少することになります。しかもコントロール用のパーコンディショナは発電所側が準備しなければならず、この出力抑制を飲まなければ電力会社は売電契約を締結しないと言っているのだから困ったものです。

 最近竣工している発電所は出力抑制の対象となっているためAM会社でどうこうできる問題ではありません。しかし、「360時間ルール」という出力抑制があっても年間360時間までという制限付きのルールが適用されますが電力会社によっては無制限の出力抑制(指定ルール)を課している電力会社もあるので発電所の立地には注意が必要です。日本再生可能エネルギーインフラ投資法人は原子力発電賞の再稼働と再生可能エネルギー発電所の普及が遅いといことに逆に目をつけ、出力抑制案件も積極的に取得していこうという戦略です。


出力抑制による利益減少も保険でカバー

 仮に出力抑制により売電収入が思うように得られなくても出力抑制に伴う利益の減少リスクを低減する出力抑制補償を内容とした保険を付保することができる旨の定めを、運用ガイドラインに新設しています。また、出力制御保険の付保に係る保険料負担が投資法人の分配金額へ影響しないよう、出力制御保険の保険契約者及び保険料の負担者を原則としてオペレーターとすることと定めています。

 プレスリリースには投資家さんにとってのマイナスな内容は無いので投資家にとっては資産規模の拡大による分配金の増加と出力抑制の利益減少に対する保険をオペレーター負担で付けるという内容から歓迎してもよい戦略だと思います。