伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人が2018年9月7日に上場します。物流不動産7物件、取得予定価格合計538億円を上場時ポートフォリオとなります。伊藤忠と冠が付くことからも分かりますが、スポンサーは伊藤忠商事です。伊藤忠は他にもアドバンス・レジデンス投資法人のスポンサーを努めていることからJ-REITに対してはノウハウは十分抱えているかと思います。2018年9月7日(金)に上場です。

取得予定資産

名称:アイミッションズパーク厚木
所在地:神奈川県厚木市
取得予定価格:5,300百万円
延床面積:(A棟:3,909㎡、B棟:15,387㎡)
鑑定NOI利回り:5.00%
稼働率:100%
築年数:(A棟:5.9年、B棟:5.9年)
テナント数:(A棟:1、B棟:1)

名称:アイミッションズパーク柏
所在地:千葉県柏市
取得予定価格:6,140百万円
延床面積:31,976㎡
鑑定NOI利回り:5.20%
稼働率:100%
築年数:3.4年
テナント数:1

名称:アイミッションズパーク野田
千葉県野田市
取得予定価格:12,600百万円
延床面積:62,750㎡
鑑定NOI利回り:4.90%
稼働率:100%
築年数:2.5年
テナント数:5

名称:アイミッションズパーク守谷
所在地:茨城県つくばみらい市
取得予定価格:3,200百万円
延床面積:18,680㎡
鑑定NOI利回り:5.00%
稼働率:100%
築年数:1.3年
テナント数:2

名称:アイミッションズパーク三郷
所在地:埼玉県三郷市
取得予定価格:6,100百万円
延床面積:22,506㎡
鑑定NOI利回り:4.90%
稼働率:87.5%
築年数:1年
テナント数:1

名称:アイミッションズパーク千葉北
所在地:千葉県千葉市
取得予定価格:2,600百万円
延床面積:9,841㎡
鑑定NOI利回り:5.20%
稼働率:100%
築年数:0.7年
テナント数:1

名称:アイミッションズパーク印西(準共有持分65%)
所在地:千葉県印西市
取得予定価格:17,900百万円
延床面積:110,022㎡(準共有持分71,514㎡)
鑑定NOI利回り:4.90%
稼働率:100%
築年数:0.4年
テナント数:1
合計/平均
取得予定価格:53,840百万円
延床面積275,075㎡(準共有持分考慮後236,567㎡)
鑑定NOI利回り:5.00
稼働率:98.8
築年数:1.9
テナント数:13

 IPOの抽選申込期間は8月29日に終了しており当選発表もされているため当たった方はおめでとうございます。アドバンスレジデンス投資法人はレジデンス系J-REITでトップの資産規模と物件数を誇ります。ほぼアセットはレジデンスなので1棟ごとの資産規模は物流施設の比ではないですが、毎期物件取得している投資法人であることから伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人も同様に成長スピードの速いJ-REITになるのではないかと思います。物流系J-REITとしては産業ファンド投資法人や日本ロジスティクスパートナーズ投資法人が有りますが、実際にはGLP投資法人のような開発したらすぐ取得するパターンになるかと思います。IPO関係のブログを見ると結構ネガティブだったりしますが2015年以降に上々した投資法人の中では1番優良銘柄では無いかと思います。


物流施設のマーケットは?

 ただ、三菱地所物流リート投資法人の投資口価格は芳しくないというこからあまりポジティブな銘柄と思えない人の気持ちも分かります。㈱一五不動産情報サービスの物流施設の不動産市況に関するアンケート調査によると・・・

物流施設の不動産価格の見通し

【出典:㈱一五不動産情報サービス:物流施設の不動産市況に関するアンケート調査】

 半年後の不動産価格の見通しは「横ばい」が71.0%と最多で、「上昇」が25.0%、「下落」が4.0%となった。本調査では「上昇」の回答構成比が減少する一方、「横ばい」がやや増えおり、不動産価格では強気の見通しが後退しはじめています。ネガティブに判断していることの理由を見ると「開発ラッシュによる需給悪化が見込まれるため」が4回答となっておりますがこれは確実に実際に起こりうることだと思います。しかし、「不動産価格の上昇局面が終わり、下落局面に突入するため」と「量的緩和政策の出口が意識され、金利が上昇する懸念があるため」ですがそれぞれ1回答というものもありますが、これはJ-REIT全体に言えることなので物流施設系J-REITに打撃を与えるものでは無いと思います。

物流施設の賃料水準の見通し

【出典:㈱一五不動産情報サービス:物流施設の不動産市況に関するアンケート調査】

 半年後の賃料の見通しは「横ばい」が「横ばい」が 75.0%と最多で、「上昇」が15.0%、「下落」が10.0%となった。「下落」の回答構成比は2017年1月の25.0%から3回連続で減少する一方、「上昇」の回答構成比は前調査に続き増加となりました。アンケート回答者の4分の3が「横ばい」の見通しですが、「上昇」の回答構成比が「下落」を上回りました。ここもネガティブに判断したことの理由を見ると「物流施設の大量供給で、テナントの獲得競争が激化するため」が10回答と最多で、「物流施設に対する需要が減退し、需給バランスが悪化するため」が5回答、「高機能な物流施設の大量供給で、大型物件の優位性が薄れるため」が4回答となっています。大量供給による需給緩和が進み、賃料水準が下落するという意見です。労働集約型産業である物流業界では、深刻な人手不足に対処するため、積極的に投資している企業が多いのですが技術革新のスピードの方が速いこともあり大きなテナントの取り合いにはならないと思います。