2018年8月期決算のJ-REITの安全性について分析しました。

・有利子負債利子率
20181101REIT有利子負債利子率
20181101REIT有利子負債利子率2

 2月・8月決算投資法人の有利子負債利子率も減少しています。ところどころでは長期金利上昇についての情報やニュースも発信されましたが結局のところレンダーのJ-REITに対しての融資スタンスは引き続き良好でむしろJ-REITへの貸し付けに二の足を踏んでいた地方銀行が苦境に立たされている環境から地方銀行の算入が目立ってきていると思います。投資法人にとってもレンダーバリエーションが多い方が財務面における安定化を図ることができるたため、そして特にメガバンク系レンダーはアレンジャーフィー、エージェントフィーといったシ団ローンのリーダーを務めることでREITから得られる収入が増えるので積極的に地方銀行に声をかけているという投資法人・レンダーのwinwinの関係が構築できているのが今の環境です。
 数値ベースで見ると初決算を迎えたタカラレーベン不動産投資法人が圧倒的に低いのですがあくまでもPO後の借入れからの計算なので異常値となっています。しっかりとした結果が数値として検出できるのは来期以降ということになると思います。同様のことはザイマックス・リート投資法人についても言えますがザイマックス・リートについてはLTVが期末時点で33%と低水準であることから来期以降もLTV低めで推移した場合は0.3%~0.5%水準になるのではないかと思います。

 
・LTV(有利子負債比率)
20181101REITLTV推移
20181101REITLTV推移2

 LTVは有利子負債÷総資産で計算しています。2.8月決算の投資法人のLTVも前期と比べて特段大きな増減はありませんでした。随分前からそうなのてずが、LTV水準につていはレジデンス系J-REIT以外はLTV水準は44~45%が平均となっています。2月・8月決算投資法人もレジデンス系J-REITである日本アコモデーションファンド投資法人以外は40%台となっています。森トラスト・ホテルリート投資法人は物件数も少なく積極的に物件を取得するスタイルの運用は行っていないのでいっそのこと余剰CFで任意期限前弁済を行いLTVももっと低くして利息負担分を分配金に回してくれても良いのではないかと思います。森トラスト・ホテルリートの物件は割と繁華街に近くシティホテルのようなのですが実際はかなり高級な富裕層を相手とするリゾートホテルなので繁忙期の利益率はかなり高く物件の鑑定評価額の上昇率も高いのでそのホテルの利益をほぼ全て分配金として享受できるとなれば投資口価格は更に上がると思います。