2018年8月期決算のJ-REITのNAV倍率、含み益、稼働率の推移を見ていきます。

・NAV倍率
20181102REITNAV倍率推移
20181102REITNAV倍率推移2

 NAV倍率ですが2月・8月決算の投資法人については人気がはっきりと分かれていると思います。積極的に外部成長を図るもNOIや賃貸事業利益率といった内部成長についてもしっかり結果を出しているGLP投資法人や日本アコモデーションファンド投資法人についてずっと投資口価格が理論値を1口当たりNAVを上回っている結果で推移しています。また、日本リテールファンド投資法人運用自体には特に問題は無いものの競争が激しくリニューアルも割と短いスタンスで行っているということを投資家さんたちは見抜いてきたようで100%を下回る水準が割と日常化しています。リテールについてはやがてテナントが価格競争になり始めるとテナントの退去リスクが高まり稼働率が低下する可能性も出てくので注意が必要です。それでも地域に拘る福岡リートは100%以上をまだ維持しているのでリテール系J-REITはリニューアルを少なくしても来客を維持できるイベントを中心として施策を考え出さなければならないと感じます。


・含み益
20181102REIT含み益推移
20181102REIT含み益推移2

 含み益は鑑定評価額-帳簿価格で算定しています。今期も順調に含み益を積み上げています。最低でも減価償却費分は毎期上昇していけば安心だと思うのですがやはりホテル系J-REITの含み益の上昇率は高いですね。客室稼働率とそれに付随するCFが高まると必然的に鑑定評価額は上昇するので今に日本で圧倒的にポテンシャルが高いアセットはホテルということに間違いは無いと思います。上場後初開示となったザイマックス・リート投資法人とタカラレーベン不動産リート投資法人については正直どちらも微妙ですね。今の時期に特にこれといった個性も無いままに上場したところで運用スタイルもオフィスビルを中心とした総合型というところもよくあるやつ。特にタカラレーベン不動産投資法人のスポンサーである㈱タカラレーベンはインフラファンドのスポンサーも務めており、どっかの某いちご㈱とまる被りだったら負ののれんの下駄をはいているいちごオフィスリート投資法人の方がまだマシと判断されるのではないでしょうか。でも㈱タカラレーベンはいちご㈱と違いちゃんとディベロッパーを行っているので物件開発ノウハウ自体は持っています。今後は㈱タカラレーベンの物件がどう魅力的であるかをタカラレーベン不動産投資法人の分配金を通じて訴求していく必要があると思います


・稼働率
20181102REIT期末稼働率推移
20181102REIT期末稼働率推移2

 2.8月の投資法人の稼働率は前期比べると減少している投資法人が若干多いようです。入退去のスパンが短いレジデンス系J-REITである日本アコモデーションファンド投資法人を除くとGLP投資法人と日本リテールファンド投資法人が下げています。GLP投資法人の物流施設の場合は退去後に別テナントが見つかるか懸念点は有りますが、既存テナントの増床等の施策で何とか100%にもっていって頂きたいですね。むしろ反対に日本リテールファンド投資法人の場合はリニューアルと絡めることで返って退去テナントよりも高い賃料でリーシングできる可能性もあるのでリニュ―アル工事をポジティブに働かせることができれば稼働率をまた99%台にもってくることができると思います。
 初決算投資法人の2人組では運用という面になるとザイマックス・リート投資法人の方がタカラレーベン不動産投資法人よりも力があると言わざるを得ないと思います。母体のザイマックスはPM事業が本業なので管理・リーシングについては非常に上手いです。また、シンクタンクのような業務も行っているのでマーケットデータの活かし方も一歩上を行っています。中長期的に考えると内部成長力のあるザイマックス・リート投資法人の方がタカラレーベン不動産投資法人よりも有利だと考えられます。