2018年11月2日に格付投資情報センター(R&I)がフロンティア不動産投資法人の格付けを発表しました。格付評価に変更は有りません。

【発行体格付】 発行者:フロンティア不動産投資法人(証券コード:8964)
・格付:AA-(維持)
・格付の方向性:安定的

【格付理由】
 優れた競争力を有する大規模商業施設を中心に投資し、良質で安定性の高いポートフォリオを構築している。所在地域は全国に分散しているが、首都圏の物件が過半を占める。取得価格で加重平均した築年数は約12年と比較的新しい。
 2018年3月にスポンサーが開発した「栄グローブ(準共有持分60%)」を93億円で取得した。名古屋の 中心部にある新築物件であり、希少性が高い。資産規模は3000億円に到達しており、今後もスポンサー のパイプラインを活用した着実な外部成長が期待できる。
 物件タイプの内訳としては、大規模SC(ショッピングセンター)が45.0%、中規模SCが26.7%、都心 型商業施設19.6%、底地8.7%となっている。大規模SCは三井不動産が運営する「ららぽーと」をはじめ とした集客力の高い物件で構成されている。都心型施設は主要な繁華街に所在し、総じて立地条件が良い。中規模SCや底地は大都市近郊にあって地域に密着した物件が多く、安定している。
 郊外型商業施設を取り巻く環境は厳しいものの、施設競争力が総じて高い上に、テナントと連携しな がら競争力を維持向上させる取り組みにも余念がない。賃貸借契約の平均残存契約期間が10年を超えて 非常に長いことも踏まえれば、中長期的に安定した収益を確保できよう。
 FRIの定義による負債比率(敷金保証金を含み、使途制限のない現預金を除く)は44%程度となってい る。有利子負債だけで見れば30%台前半と非常に低い。2018年6月時点の鑑定評価額は帳簿価格を約23% 上回り、含み益は比較的大きい。
 有利子負債の平均残存年数は5年(2018年6月時点)と長く、返済期限は長期に分散している。コミッ トメントラインは合計150億円設定しており、年間の返済額を十分にカバーできる水準。調達コストは他 のREITと比較して優位にある。
 格付の方向性は安定的。今後もスポンサーのパイプラインを活用し、過度な競争に巻き込まれること なく物件を選別して新規投資を行う方針。既存物件の収益は厳しい環境の下でも安定的に推移しよう。 レバレッジは低く、資金調達基盤は強固である。