JCRが投資法人みらいの信用格付けの評価をA+(安定的)からA+(ポジティブ)に変更したと発表しました。JCRでは以下の点を特に評価しています。
■格付事由
投資法人みらいの上場時ポートフォリオは15物件、取得金額総額1,007億円であったが、アセットバランスを意識しながら順調に資産規模が拡大し、現在では29物件、取得金額総額1,450億円となる。上場時と比べ、ポー トフォリオのタイプ、物件、およびテナント面において分散が進んだことから、キャッシュフローの安定 性が増している。上場以降、外部成長面では両スポンサーからのサポート、特に内部成長面ではおもにイデラキャピタルからのサポートが実現されている。両スポンサーの強みを生かして継続的な外部成長と内部成長が進められていることから、二社のスポンサーによるサポート体制は良好に機能しているものとみられる。
投資法人では、希少性・成長性・収益性を兼ね備えたポートフォリオ構築の戦略のもと、引き続き外部成長を推進する方針である。上場後の外部成長実績、2期連続で公募増資を実施することでLTVを巡航の上限である 50%以下でコントロールしてきた実績、二社のスポンサーによるサポート体制等に よって、引き続き財務規律を意識したポートフォリオの拡大と安定したポートフォリオのパフォーマンスの継続が可能なものと判断。以上を踏まえ、格付は据え置くものの、見通しをポジティブに変更した。
2018年10期末のポートフォリオ全体の稼働率は99.4%と高水準にある。大口テナントの退去が発生した「ダイキ和泉中央店」では後継テナントの誘致が完了し、2019年4期末、2019年10期末ともにポートフォリオ全体で99%以上の高い稼働率が持続される見通しである。また、「川崎テックセンター」では、共用部の一角にコンビニエンスストアを誘致し収益化を実現するなどバリューアップに対しても積極的な取組みがされています。投資法人では初のグロースアセットである「ミ・ナーラ」については、2018年4月にリニューアルオープンを迎え概ね満床稼働となった。キャッシュフローの安定性に配慮して、リニューアル後5年間にわたり一定の賃料が保証されているが、資産運用会社では変動賃料のアップサイドを追求した取組みを進めており、物件の今後の収支動向についてフォローしていく。
2018年10期末において有利子負債の平均残存期間は5.9年、長期固定比率は100%、平均調達金利は0.53%と長期安定性に配慮された資金調達が実現されている。スポンサーである三井物産グループの信用力を背景に強固な財務基盤が構築され、現時点において財務面で特段の懸念点はない。LTVは2018年10期末で48.7%。金融収縮期に備えて2020年末までに45%以下の水準まで引き下げる方針であり、今後の外部成長への取組みとLTVコントロールについて注目している。
■直近の取得物件
JCRは直近の2018年11月1日に取得した六甲アイランドDCは、阪神高速5号湾岸線「六甲アイランド北出入口(IC)まで約2.5㎞の距離に位置し、阪神エリアのみならず西日本を広域的にカバー可能な立地である。上場後初のニュータイプアセット案件として、三井物産アセットマネジメント・ホールディングスのパイプラインから取得しています。
テナントとの間で期間15年の長期賃貸借契約が締結され、さらに入居テナントにとって物件が西日本における基幹ハブセンターであることから継続的な利用が見込まれています。また、物件の収益性(NOI利回り)は比較的高く(ポートフォリオ比:6.0%)、長期的にポートフォリオ全体の収益への貢献が期待される物件であると明言しています。
■格付対象
発行体:投資法人みらい
長期発行体格付:A+(安定的)→A+(ポジティブ)
対象:第1回無担保投資法人債(特定投資法人債間限定同順位特約付)
発行額:10億円
発行日:2018年7月26日
償還期日:2028年7月26日
利率:0.640%
六甲アイランドは確かに基幹ハブセンターであれば賃料はその市場からしたら高めだと思いますし、賃貸借期間が更新される可能性も高いので安定していると言えると思います。ただ物流施設はNOI利回りが高いのは当たり前なので物件の価値としては及第点程度だと考えられます。むしろ商業施設であるミ・ナーラはスポンサーがガッツリ関わってくると思うのでコチラの方が収益性が見込めそうです。リニューアル後の5年間にわたり一定の賃料が保証されているということなので最低でも4~5年スパンで投資法人はリニューアルコストのコストを負担することになるでしょうがこの点についてコメントが無い点が気になります。損益計算書の利益は痛まなくてもCFは痛むのでCF面での分析をもっと行って欲しかったと思います。
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