2019年3月12日に日本ロジスティクスファンド投資法人の決算が発表されました。
当初の予想一口当たり分配金が4,660円のところ4,710円で着地しました。

あまり回り映えしない戦略

 日本ロジスティクスファンド投資法人は1口当たり分配金の持続的な成長に資する取組を推進していくとしており、特に新規物件の取得について市場よりも比較的高い利回りでの取得が期待できる「独自の取組み」と立地や建物仕様等、個別の不動産の特性等に基づきキャッシュフローの確かさを重視して物件を取得する「不動産市場での取組み」を組み合わせてると述べています。

 2019年1月期の取組みとしては2018年11月の藤沢物流センター(取得予定価格4,305百万円)の取得を決定するとともに、2018年12月に大阪西淀川物流センター(取得価格2,600百万円)を取得しました。また、2018年11月に愛西物流センター(取得予定各2,510百万円)の取得を決定しています。一方で、長期的な物件競争力に懸念のあった船橋物流センターについて、2018年10月に鑑定評価額7,220百万円の約1.1倍である7,900百万円で譲渡し、926百万円の譲渡益を計上しました。当該譲渡の譲渡資金と譲渡益を活用し、照明器具の大規模なLED化工事を7物件において実施し、ポートフォリオの強化とともに環境性能の向上を図りました。ポートフォリオ全体の2019年1月期末時点での稼働率は98.8%と良好な稼働状況を維持しています。

 新規物件の取得について市場よりも比較的高い利回りでの取得はスポンサーからだけではなく、第三者からの取得も検討することで達成できると思うので「独自の取組み」とのたまう程の取組みではないと感じます。GLP投資法人のように物流施設に太陽光パネルでも設置して既存物件の収入を増やすことも積極的に取り入れて欲しいですね。


自己投資口取得で存在感をアピール
20190316日本ロジスティクスファンド投資法人 LTV・DSCR推移

 財務面の動きは船橋物流センターの譲渡に伴う譲渡資金を活用し、2018年9月に3,000百万円の長期借入金を期限前弁済するとともに、譲渡益の一部を既存借入金の期限前弁済にかかる清算金に充当して長期借入金9,000百万円のリファイナンスを実施しました。この取組みにより、LTVを引き下げるとともに、将来の負債コストの軽減及び平均負債残存年数の長期化と返済期限の分散化を図りました。

 また、機動的かつ安定的な資金調達手段の確保を目的として、2018年11月に市川物流センターⅢの取得資金等を資金使途とする極度額1,000百万円のコミットメントライン契約を新たに締結しました。これにより、2019年1月期末時点のコミットメントライン契約の極度額合計は18,500百万円となっています。2019年1月期末時点の有利子負債総額は114,700百万円、LTVは44.2%となっています。

 そして、自己投資口の取得も行っており、そのすべてについて消却を行いました。2019年1月期において取得・消却した投資口の総数は8,927口(当該取得・消却前の発行済投資口の総口数に対する割合0.98%)、取得価額の総額は1,999百万円です。また、2019年1月期末時点での格付け評価は以下の通りです。
 ・日本格付研究所(JCR)・・・発行体格付:AA+、見通し:ネガティブ
 ・格付投資情報センター(R&I)・・・発行体格付:AA-、方向性:安定的