2019年4月15日に日本リテールファンド投資法人の決算が発表されました。
当初の予想一口当たり分配金が4,660円のところ4,430円で着地しました。

物件数が再び100棟越え
20190422日本リテールファンド投資法人NOI・NCF推移

 2019年2月期については、コア資産新規3物件(Gビル南青山03、Gビル神宮前08、ラウンドワンスタジアム川崎大師店)の取得を実施しました。 また、運用面についてはこれまでの運用実績で培われた柔軟なリテールマネジメント力を活かした「既存物件の価値向上」策の一環として川崎ルフロンの大規模リニューアルに取り組んでおり、メインテナントとして水族館を誘致する等、2019年4月以降、段階的なリニューアルオープンを予定しているとしています。

 保有する資産の当期末稼働率については、98.8%と川崎ルフロンのリニューアル等の影響により、一時的に低下をしていますが、引き続き稼働率を維持しています。これらのの結果、2019年2月期末において、投資法人の運用資産は101物件、取得価格の総額9,057億円、鑑定評価額の合計10,083億円、総賃貸可能面積2,457,897.95㎡、テナント総数958、ポートフォリオ全体の稼働率は98.8%となりました。営業収益30,680百万円、固定資産税及び資産運用報酬等の営業費用を控除した営業利益は13,103百万円、経常利益は11,105百万円、当期純利益は11,105百万円となり、2019年2月期末におけるポートフォリオ全体の含み損益については、主に既存物件における前期末比でのキャップレートの低下及び減価償却等の結果として、含み益は1,569億円(前期比+78億円)となりました。


財務戦略を3つに絞って運用

 財務面においては、Gビル南青山03(取得価格122億円)の取得のために、2018年10月に短期借入金95億円と長期借入金25億円の合計120億円の借入を行いました。また、2018年12月に既存の長期借入金15億円の返済資金に充てるために長期借入金15億円の借入を行い、2019年2月に既存の短期借入金130億円の返済資金に充てるために短期借入金55億円及び長期借入金75億円の借入を行いました。これらの結果、投資法人の2019年2月期末の有利子負債残高は4,047億円、うち、短期借入金は80億円、長期借入金は3,592億円、投資法人債(グリーンボンドを含む)は375億円となりました。

 2019年2月期末の長期負債比率については98.2%、固定金利比率については93.3%、LTVは50.7%となっています。LTVについては運用レンジの目安を45%から55%としているということもあり戦略においては平均的なレベルとなっています。

 日本リテールファンド投資法人は中長期的な財務基本戦略として、①金融環境悪化時においても、安定した経営を継続できる強固な財務基盤の構築、②機動的なポートフォリオ・マネジメント実施のための財務柔軟性の確保、③高い信用力を維持することによる、競争力のあるコストでの負債調達の3点を掲げており運用面だけでなく安全性についても目的を明確にして行動していることがよく分かります。