2019年4月15日にラサールロジポート投資法人の決算が発表されました。
当初の予想一口当たり分配金が2,606円のところ2,717円で着地しました。
尚、利益超過分配金が187円含まれています。

真面目に第三者からの取得を考えるべき
20190425ラサールロジポート投資法人NOI推移

 ラサールロジポート投資法人は2019年2月期においては外部成長の動きはありませんでした。運用面については2019年2月期末までの保有11物件(取得価格合計188,440百万円、賃貸可能面積811,882㎡)の運用を着実に行い、ポートフォリオ全体の2019年2月期末時点の稼働率は98.8%と良好な稼働状況です。テナント数は113テナントとテナント分散が図られたポートフォリオとなっています。
 2019年2月期における営業収益は5,792 百万円、営業利益は3,100百万円、経常利益は2,784百万円、当期純利益は2,783百万円となりました。

 決算短信の6ページに今後のの運用方針及び対処すべき課題に記載がありますが、スポンサーサポート契約に基づき、ラサールファンドの保有物件につき売却情報の提供を受けることができるため、ラサールファンドからのソーシングと第三者からのソーシングの両方を活用した多様なソーシングルートを有しているとしていますが、これは単にスポンサーファンドの出口として投資法人が利用される以外の何物でもありません。さくら総合リート投資法人と基本的には同じで「投資法人をゴミ箱にします。」といっているに過ぎません。スポンサーは出口として投資法人を利用するつもりなのでソーシングもくそもあったものではありません。物流系J-REITは物件の取得をスポンサーに頼っているところは他の投資法人も同じですが、GLP投資法人や日本プロロジスリート投資法人と違い物流屋のノウハウではなく金融屋のノウハウなのでここについて(ラサールロジポート投資法人が取得する物件の質・立地・テナントとのリレーション)には注意が必要感じます。


レンダーフォーメーションの強化に期待

 資金調達については新たに取得した優先出資証券の取得資金の一部に充当するため、2018年9月26日付で1,221百万円の借入れを行いました。上記の結果、2019年2月期末における投資法人の有利子負債の残高は87,531百万円、LTVは43.6%となりました。 

 LTVについては現在のところ40%~45%台で推移することを目標としているようで、2019年2月期は43.6%なので、まあ計画通りに進んでいるようです。また、ラサールロジポート投資法人の上手いところはメインバンクを三菱UFJ銀行にしているところです。三菱UFJ銀行と三菱UFJ信託銀行については融資実行までのスピードがかなり遅いです。運用期間が経過した後にレンダーポートフォリオに加えようとすると物件取得予定日までにデューデリジェンスや借入契約が間に合わないということも有ります。(運用期間が経過するほど運用物件数が多くなり、レンダーは新規に取得する物件だけでなく、既存の物件についてもデューデリジェンスを行うため融資判断までに3ヵ月~9ヵ月程度を要します。)特にシンジケートローンで資金調達をしようとしている場合はレンダー間の足並みが崩れてしまいます。ラサールロジポート投資法人は物件数が少ないうちに三菱UFJ銀行から借入れることは今後のレンダーポートフォリオのバリエーションを整えやすいのではないかと考えられます。