2019年4月26日にフロンティア不動産投資法人が保有する3物件(三井ショッピングパークららぽーと新三郷、三井ショッピングパークララガーデン春日部、池袋スクエア)について、2019年4月29日付でDBJ Green Building 認証を再取得することとなったと発表しました。

DBJ Green Building認証

 DBJ Green Building認証制度とは、環境・社会への配慮がなされた不動産(「Green Building」)を支援するために、2011年4月に㈱日本政策投資銀行が創出した認証制度です。対象物件の環境性能に加えて、防災やコミュニティへの配慮を含む様々なステークホルダーへの対応を含めた総合的な評価に基づき、社会・経済に求められる不動産を評価・認証し、その取り組みを支援しているとされています。


フロンティア不動産投資法人の物件評価

 三井ショッピングパークららぽーと新三郷
 
  所在地:埼玉県三郷市新三郷ららシティ三丁目1番1号
    敷地面積:85,153.29㎡
      延床面積:136,161.36㎡
      竣工所在地:埼玉県三郷市新三郷ららシティ三丁目1番1号
      評価:★★★★★(2016年から据え置き)
 ・採光を目的とした吹き抜けの設置や LED 照明の採用等、省エネ・省資源により環境負荷低減を図っている点
 ・おむつ交換台や授乳室の整備等、消費者の多様性に配慮している点
 ・非常用発電機の設置や従業員及び一般帰宅困難者向けの備蓄品の用意する等、防災に関する取り組みが実施されている点


 三井ショッピングパークララガーデン春日部

  所在地:埼玉県春日部市南一丁目1番1号
  敷地面積:22,380.27㎡
  延床面積:56,897.33㎡
  竣工:2007年10月
  評価:★★★★(2016年から1ランクアップ)
 ・LED照明の採用や自動水栓の設置等、省エネ・省資源により環境負荷低減を図っている点
 ・おむつ交換台や授乳室の整備等、消費者の多様性に配慮している点
 ・非常用発電機の設置や従業員向け備蓄品の備蓄等、災害時の防災対応に配慮している点


 ③池袋スクエア
 
  所在地:東京都豊島区東池袋一丁目14番1号 
  敷地面積:1,511.22㎡
  延床面積:11,957.75㎡
  竣工:2012年11月
  評価:★★★(2016年から据え置き)
 ・LED照明・人感センサー・自動水栓の採用など、省エネ・省資源により環境負荷低減を図っている点
 ・おむつ交換台やベビーチェア等の整備、インバウンド対応を進める等、消費者の多様性に配慮している点
 ・非常用発電機の設置、従業員向け備蓄品の用意、防災対応貯水槽の設置等、災害時の防災対応性に配慮している点

 既にサスティナビリティ認証を取得している物件の再取得です。三井ショッピングパークララガーデン春日部は再取得により評価がアップしていますが、三井ショッピングパークららぽーと新三郷と池袋スクエアについては評価は据え置きとなっています。

 投資法人債の格付けについてはレンダーや機関投資家達の融資・もしくは公募増資の応募目安として機能している面もあり、個人投資家さんも債券格付評価を見ている人もいらっしゃるので評価が下がったとしても格付評価を継続することは理解できます。

 ですが、正直DBJ Green Building認証の再取得についてはもっと慎重になるべきではないか?と思います。サスティナビリティはどの業界でも叫ばれていることですが、サスティナビリティの環境・社会貢献といった部分は実際に行動主体である投資法人もしくは資産運用会社(AM会社)の自己満足になっている気がしてなりません。

 実際にフロンティア不動産投資法人については決算説明会資料にも毎期活動実績を報告していくれていますが、この活動により投資家さんは何か得をするのでしょうか?。この認証資格取得のための費用は投資法人負担です。投資家さんはJ-REITの運用している物件や分配金・投資主優待に魅力を感じて投資します。株式会社をある意味で応援する目的で(配当金・値上がり益で投資する方もいらっしゃいますが)購入する株式とは一線を画すものだと考えています。
 
 フロンティア不動産投資法人は低いLTVで商業施設を運用するスタイルを貫いている優良なJ-REIT銘柄の1つです。何も考えていない訳では無いと思いますが、スポンサーの三井不動産の環境面における広告等にされているように感じました。

 フロンティア不動産投資法人だけでなく各投資法人の資産運用会社にはもう少しクレバーになって欲しいですね。