2019年9月13日に伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が2,622円のところ2,311円で着地しました。
尚、利益超過分配金261円が含まれています。

マルチテナント型と伊藤忠ブランドは融合するのか
20190927伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人 財務指標

 2019年7月期において、2019年4月1日付で2物件(アイミッションズパーク印西(準共有持分15%の追加取得)、アイミッションズパーク守谷2)、取得価格合計4,990百万円を追加取得しました。また、伊藤忠グループと連携し、適切な管理運営のもとに保有8物件(取得価格合計58,830百万円)の着実な運用を行った結果、保有資産全体の稼働率は2019年7月期末時点100.0%の稼働状況を維持しています。

 上記運用の結果、2019年7月期期の業績は営業収益1,718百万円、営業利益810百万円、経常利益733百
万円、当期純利益732百万円となりました。昨日の三井不動産ロジスティクスパーク投資法人も同様ですが物流施設の稼働率は基本的に100%となります。物流施設はマルチテナント型と呼ばれる複数のテナントが存在するタイプとBTS型と呼ばれる入居するテナントを予め見つけておいてスポンサーが物流施設を建設するタイプとが有ります。後者の場合テナントは1社であるため必然的に稼働率は0%か100%のいずれかということになります。

 運用中の物件8棟はいずれも大型であるため投資法人の名前に「伊藤忠」の冠を付けたことからスポンサーは力を入れていることは理解できます。現在すべての物件名称に「アイ ミッションズ パーク」が付けられている点からも一貫したブランド戦略の展開により高品質・高価格な物流施設として印象付けたいようですが、顧客ニーズやサプライチェーンの変化に応えるべくマルチテナント型物流施設ビジネスモデルの展開の開発を拡大しているようなのでブランドの浸透力は地味に推移し飛びぬける地名度を得るのは難しいのではないかと思います。マルチテナント型だと誰にでも好まれるような作りになってしまうので他の物流系J-REITの物件群と差別化し辛いと考えられます。
 

キャッシュフローに余力が有りLTV39.5%の低めを維持
 
 伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人の財務戦略は、保守的な財務運営を基本とし、成長性に配慮してLTVコントロールを行うとともに、効率的なキャッシュマネジメントにより投資主価値の向上を目指しています。具体的には、借入期間の長期化、金利の固定化及び返済期限の分散化を通じた財務基盤の安定化を図りつつ、資金調達余力の確保に配慮したLTVコントロールに努めるとしています。
 2019年7月期においては、新規2物件(うち1物件は、準共有持分の追加取得)の取得資金及び関連費用の支払いの一部に充当することを目的として、2019年4月1日付で5,280百万円(短期借入金260百万円、長期借入金5,020百万円)の借入れを行いました。また、2018年9月7日に取得した物件に係る消費税還付金及び手元資金を原資とし、2019年6月7日付で2,690百万円の返済を行いました。その結果、2019年7月期末時点の有利子負債残高は24,580百万円、LTVは39.5%となっています。 2019年7月期末時点の格付評価は以下の通りです。
・㈱日本格付研究所(JCR):長期発行体格付A+(安定的)