2020年2月17日にジャパンエクセレント投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が2,860円のところ2,918円で着地しました。

この高騰したマーケット環境で減損って・・・

 2019年12月期のジャパンエクセレント投資法人の外部成長は活発で2019年10月1日にBIZCORE赤坂見附(取得価格6,200百万円)を、2019年11月13日付で仙台ビル(取得価格1,580百万円)の取得を行いました。たった2棟の取得ではありますが、物件取得に慎重なジャパンエクセレント投資法人が短期間に連続で取得を決断したことから内部成長の観点からに非常に競争力が高いと決断したのだと思います。
 運用管理面については、賃料水準を重視したテナント交渉に努め、既存契約については、増額改定の機を捉えて物件価値に見合った賃料への増額取組を一層強化し、また新規契約については、市場動向を踏まえ賃料設定水準を引き上げてリーシング活動を行いました。その結果、既存物件の賃料収入増加額は0.7億円、2019年12月期末の稼働率は99.6%となりました。全保有運用資産は33物件、取得価格総額2,794億円、総賃貸可能面積345,940.29㎡(104,646.94坪)となりました。これらの運用の結果、2019年12月期の業績は、営業収益10,890百万円、営業利益2,912百万円、経常利益2,247百万円、当期純利益2,246百万円となりました。

 また、サスティナビリティへの取組みも積極的で中長期的に年平均1%のエネルギー消費原単位の削減を目標として、保有物件の照明器具のLED 化や省エネ性能に優れた空調設備への改修等、環境負荷の低減に努めています。また、グリーンビル認証の 取得にも継続的に取り組んでおり、グリーンビル認証取得物件数は11物件、全体の60.0%(2019年12月31日 現在・底地を除く賃貸可能面積ベース)となっています。この不動産マーケット環境では珍しく「減損損失」を計上しているというところは問題ですね。2019年12月末現在で既に売却価格が決まっている場合はその売却価格が「時価」になってしまうためいくら鑑定評価額が帳簿価額以上でも減損会計が適用されてしまいます。減損会計が適用されている興和川崎西口ビルは帳簿価額よりも1,431百万円低い価格でしか売却できなかったということです。まあ、減損損失と相殺する目的でJEI西本町ビルも売却し売却益と相殺する目的なんでしょうが、勿体ないですね。


借入金を利用しての物件取得でLTV44.9%に上昇
20200221ジャパンエクセレント投資法人LTV・DSCR推移

 財務の状況については、前期に続き長期かつ固定金利にて資金調達することを基本とし、中長期に安定かつ健全な財務運営に取り組み、2019年12月期は、10月に期限の到来した借入金10億円について、市場環境を踏まえて、先行して9月に本投資法人初となる20年債(10億円・1.07%)を発行しました。また、10月にBIZCORE赤坂見附を取得する資金として、銀行からの短期借入(40億円・期間1年)を実施しました。また、12月に期限の到来した借入金10億円については、借入期間を3.0年から5.0年に長期化を実施しました。 これらの結果、2019年12月期末における有利子負債平均残存期間は4.2年(対前期末比0.4年短期化)、期末平均有利子負債金利は0.77%(対前期末比同水準)、LTVは44.9%(対前期末比0.7%上昇)となりました。
 このほか、ジャパンエクセレント投資法人は、資金調達の安定化及びリファイナンスリスク軽減を図るべく、従来から継続して借入極度額140億円のコミットメントラインを設定しています。2019年12月末における格付機関からの格付評価は以下の通りです。
・㈱日本格付研究所(JCR)、AA-(格付の見通し:安定的)
・ムーディーズ・ジャパン㈱(Moodys)、A3(格付の見通し:安定的)