日本格付研究所(JCR)が2020年3月5日に日本プロロジスリート投資法人の格付けを発表しました。

 2019年11月期以降において、スポンサーによって開発されたAクラス物流施設、計7物件・1,219億円を取得し、資産規模が継続的に拡大している。その結果、物件集中リスクの低減、テナントおよび賃貸借期間満了時期の分散などが進展し、ポートフォリオの収益安定性が継続的に向上しています。ポートフォリオの平均築年数は2019年11月期末時点で7.0年(49物件ベース)。築浅物件の取得により築年数の新しいポートフォリオが維持され、2018年11月期末の7.5年からさらに改善が進んでいます。運営面では、施設競争力の高さやプロロジス・グループにおけるテナントや荷主などのカスタマーとのリレーションシップを背景に高い稼働状況が継続されています。優先交渉権の取得済物件のほかにスポンサーで開発中及び計画中の物件を含めると10物件・約2,000億円のスポンサーパイプラインを有し、マーケットに頼ることなく品質の高い物件の取得機会が確保されている。LTVは資産規模拡大の一方で公募増資を実施することによって適切なコントロールが継続されています。引き続き財務規律を意識したポートフォリオの拡大と安定したパフォーマンスの継続が見込まれます。以上を踏まえ、格付を据え置き、見通しを安定的と評価しました。

 2019年11月期末のポートフォリオ稼働率は98.8%、期中平均稼働率は、2013年2月の上場以降14期連続で97%以上の高い水準が継続されています。ポートフォリオの平均賃貸借残存期間が4年以上、定期借家契約比率が100%、テナントの分散化も進んでいることから、今後も比較的安定した稼働率の推移とキャッシュフローの創出が期待できるものと判断。PM会社である㈱プロロジスによるテナントリーシングにおける強固なサポート体制と施設の高いスペックなどにより、高い再契約率が維持され、また、テナントとの更改状況は順調に進捗しており、足元において特段の懸念はみられていないと述べています。

 財務面では長期安定性に力点を置いた運営が行われています。LTVは当面40%以下の保守的な水準でコントロールしていく方針であり、2019年11月期末の総資産ベースで37.8%、時価ベースで30.3%と、それぞれ保守的な水準にある。物件の含み益率は2019年11月期末で25.9%となり十分な財務バッファーを有しています。負債コストの軽減および有利子負債残存年数の長期化と返済期日の分散化が進み、保守的な財務基盤が構築されています。
・名称:長期発行体格付
・格付:AA
・格付の方向性:安定的

 従来からの評価と特に変更はありませんね。日本プロロジスリート投資法人は物件の取得も積極的に行っている投資法人ですが公募増資だけでなく、有利子負債も利用し資金調達を行うのでLTVは低くても40%前後の水準が一般的です。一応JCRでは最高水準の評価だと思います。