2020年3月16日にいちごホテルリート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が4,700円のところ8,356円で着地しました。

ホテルの宿泊者が中国・韓国に偏りすぎている
20200328いちごホテルリート投資法人NOI推移

 2020年1月期は2019年10月31日にホテルビスタプレミオ京都の譲渡を行いました。(譲渡価格:4,500百万円)続いて2020年1月31日に運用中のネストホテル那覇の譲渡を行いました。(譲渡価格5,285百万円)また、運用中であったホテルエミット渋谷の取得を発表しました。(取得日は2020年2月25日、取得価格:3,700百万円)こちらの賃貸事業収益の反映は2020年7月期になります。ネストホテル那覇の売却は早かったように感じますが、答えは簡単でネストホテル那覇の宿泊客は韓国人旅行者が多いということが解決できます。昨年の中頃から特に日韓関係悪化のニュースはテレビでもネットでも見かけた人は多いと思いますが実はいちごホテルリートのビジネスホテルタイプのアセットが一番ダメージを受けていたという訳です。
 既存物件の運用については変動賃料を導入するホテルを中心に、各ホテルオペレーターと連携をとり、増加するレジャー需要の取り込み強化や運用費用の低減を図るコストの適正化に励んでいます。
 ホテルの運営自体はオペレーターが行っているのでAM会社としては口を出せない部分があるとは思いますがホテルの宿泊客のポートフォリオ戦略を立てていく必要があるかもしれません。大まかな国籍だけ分けてプレスリリースか何かで開示することで不安に煽られた投資家さんの売却による投資口価格の下落は多少は食い止められるかもしれません。個人情報まで踏み込むと問題ですが、東南アジア圏、東ヨーロッパ圏というざっくりとした開示でも行うことはサスティナビリティにも当てはまると思います。


LTVは41.5%と低めの水準。レンダーが引いてもなんとかなる

 2020年1月期の財務面については新規物件の取得及び返済期限の到来する既存借入金はなかったため、新たな資金調達はありませんでした。この結果、2020年1月末の借入金残高は25,470百万円となり、LTVは41.5%となりました。資金調達についてはレンダーはまだ引いてはいないので資金調達余力は十分に有ると考えられます。
 上記では触れませんでしたが、2020年2月26日に下関駅西ワシントンホテルプラザの売買契約を締結し3月12日に取得しました。公募増資を交えずに自己資金での取得というところはタイミングが良かったですね。これが公募増資を絡めての取得であった場合、取得はできないとまではいかないとは思いますが投資口数は相当希薄化したと考えられます。ただ、京都や那覇のホテルを売って取得するのが東京都渋谷と下関という取り合わせては疑問ですけどね。下関は良いところだと思いますが、優先順位はそんなに高くないと感じるんですよね。まあ、ポートフォリオがビジネスホテルに偏っているのでリゾートホテルが欲しかったのは分かります。
 当初の予想から分配金は大幅に増加してるんですけどね。まあ、投資口価格の下落を防ぐ狙いがあったのかもしれませんが効果は薄いようですね。