阪急阪神リート投資法人が2020年4月8日に㈱格付投資情報センター(R&I)から取得している発行体格付けについて格付評価が継続されたと発表しました。

格付理由

 阪急阪神リート投資法人は継続的な資産の入れ替えにより、ポートフォリオの質・収益性の向上や将来リスクの低減に取り組んでいます。2020年3月には、東京都心のオフィスや大阪都心の商業施設(敷地)など3物件を約83億円で取得し、東京のビジネスホテルと広島郊外の商業施設(敷地)の2物件を約62億円で売却することを発表しました。今後もスポンサーグループと緊密に連携しながら、適正価格での物件取得を目指しています。

 商業施設では、旗艦物件の阪急西宮ガーデンズを含むほとんどの物件においてテナントと長期賃貸借契約を締結し、安定収益を確保している。阪急阪神沿線を中心とした人口密集地にフォーカスしていることも強み。

 オフィスでは汐留イーストサイドビルで一部テナントの退去があったが、リーシングは順調に進み、賃料水準は従来と比べて上昇した。スフィアタワー天王洲のオフィス区画は満室稼働で推移しており、一部テナントとは賃料増額を実現しています。

 賃料は固定部分がほとんどで、テナントの売上高によって変動する部分は全体の2.4%(2019年11月期)に過ぎず、新型コロナウイルスの流行による収益への影響は限定的とみられます。レバレッジは引き続き適切に管理されており、2019年11月時点のHHRの定義に基づく負債比率(鑑定評価ベース、見合い現預金の無い敷金・保証金を含む)は39.3%、総資産有利子負債比率は43.6%と良好な水準です。鑑定評価額は同時点で簿価を19.8%上回り、含み益が拡大しています。
 国内主要銀行との良好な関係の下、安定した資金調達を続けています。有利子負債の平均残存年数は5年(2019年11月時点)と長く、大半の金利が固定化され、返済期限は分散しています。

 関西圏で強固な事業基盤を有するスポンサーグループのサポートを背景に、堅実な投資と安定した物件運営を続けています。レバレッジ水準は保守的で、資金調達は順調。資産規模はやや小さいものの、保有物件の収益は安定しており、現状において懸念は小さい。新型コロナウイルス問題の影響は足元限定的だが、今後の賃貸市況や金融環境への影響を注視していくとしており、格付の方向性は安定的となりました。

格付対象 

 発行体格付:阪急阪神リート投資法人
 格付:A+
 格付の方向性:安定的
 昨日のジャパン・ホテル・リート投資法人はポジティブ→安定的と方向性を下げましたが、阪急阪神リート投資法人はオフィスビルが主力ということもあり格付けの方向性は安定的を維持しています。