2020年4月13日に日本リテールファンド投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が4,500円のところ4,500円で着地しました。

川崎ルフロンの水族館は大丈夫?
20200418日本リテールファンド投資法人賃貸事業利益推移

 2020年2月期の外部成長については、新規1物件(マチノマ大森)の取得を公表し、また、保有資産の入替えの一環として1物件(イトーヨーカドー錦町店の不動産信託受益権の準共有持分45%)について、2020年2月期に売却を完了しました。運用面については、投資法人はこれまでの運用実績で培われた柔軟なリテールマネジメント力を活かした「既存物件の価値向上」策の一環として川崎ルフロンの大規模リニューアルに取り組んでおり、2020年夏頃に予定してしている水族館のオープンを前に、2019年4月以降、段階的なリニューアルオープンを実施しており、順調な経過を経ています。これらのの結果、2020年2月期末において、投資法人の運用資産は100物件、取得価格の総額8,772億円、鑑定評価額の合計9,881億円、総賃貸可能面積2,397,265.59㎡、テナント総数938、ポートフォリオ全体の稼働率は99.7%となりました。
 また、2020年2月期末におけるポートフォリオ全体の含み損益については、物件売却による含み益の剥落があったものの、主に既存物件における前期末比でのキャップレートの低下及び減価償却等の結果として、含み益 は1,621億円(前期比+6億円)となりました。これらの運用の結果、2020年2月期の実績として営業収益32,007百万円、固定資産税及び資産運用報酬等の営業費用を控除した営業利益は14,563百万円、経常利益は12,801百万円、当期純利益は12,800百万円となりました。


財務面の安全性は高い

 2020年2月期の財務の動きについては、2020年2月期において、まず、2019年9月に既存の長期借入金50億円の返済資金に充てるために長期借入金50億円の借入を行いました。更に、2019年10月に既存の長期借入金95億円の返済資金に充てるために長期借入金95億円の借入を行い、2019年12月に既存の長期借入金80億円の返済資金に充てるために長期借入金80億円の借入を行いました。これらの結果、投資法人の2020年2月期末の有利子負債残高は4,047億円、うち、長期借入金は3,602億円、投資法人債(グリーンボンドを含む)は445億円となりました。コロナウイルスによる日本の現状を踏まえると怖いのはレンダー達のJ-REITに対する態度ですが、新規の貸付けには慎重になっているものの、取引のある既存の貸付先についてはまだ融資態度に大きな変化は無いと感じています。日本リテールファンド投資法人については商業施設が運用アセットの主力であるため収益性において分配金への影響は避けられない現状ですが、レンダー達の態度に大きく変化は無いようです。LTVも低めであることから危険水域には全然余裕がある状況です。
 それにしても川崎ルフロンの水族館がコケるようなことにならなければ良いですね。ずいぶん前からオープン予定をプレスリリースで開示するなど資産運用会社はかなり期待していた様子。コロナウイルスが収束しなければ県や市は営業自粛を求めて来るでしょう。少なくとも川崎ルフロンの経営は今年はあまり期待できたいと思います。