先日、大江戸温泉リート投資法人のコロナウイルス影響下における業績情報を記事にしましたが、物流系J-REITの日本ロジスティクスファンド投資法人もコロナウイルス関連の影響を発表しています。ですがこちらは明らかに追い風といった感じです。

市場環境認識

【物流不動産賃貸市場】
・社会インフラとしての物流サービスは維持
・EC消費拡大や在庫拡大によるテナントニーズ増加期待

【物流不動産売買市場】
・売却プレーヤーが取引の確実性を重視する姿勢が強まり、取得競争環境に変化

J-REIT市場】
・J-REIT投資口価格は2020年3月に大幅下落するも、物流系は相対的に安定

 物流施設の売買市場としては経営環境が不安定になることで売却先が取引やスケジュールの確実性を重視するようになると想定し、物流施設の売買市場で取得できるのは信用力や資金調達力が高いプレイヤーの取得競争力が向上すること。また、商業施設の運営環境が悪化することで物流施設への転換に適した商業施設が売却される可能性も指摘しています。


日本ロジスティクスファンド投資法人の運用状況

・再契約をはじめリーシングは順調に進捗し、高稼働を維持
・予定どおり2物件を売却し、LTV引き下げとキャッシュポジション確保を達成
・豊富なキャッシュポジションを活かした様々なアクションが可能 (自己投資口取得・LTV引き下げ・資本コストを意識した外部成長)

20200514日本ロジスティクスファンド投資法人物流事業者の状況

 発表された資料を見る限り大きくプラスの影響を受けているようです。これは日本ロジスティクスファンド投資法人の発表には強がったところは無いと思います。注目なのは参考として載せているCBREの資料ですが、コロナウイルスによる影響が無いと回答している物流施設が多いというところが興味深いですね。物流施設で人手不足である回答しているところもありますが、これは恒常的に人手不足になっている物流施設ではないかと思っています。人手不足なのは食料品や生活必需品などを扱う運送・物流倉庫であり、かつ東京都心に立地しているのではないかと考えられます。