2020年6月1日に産業ファンド投資法人がIIF厚木マニュファクチュアリングセンターの取得が完了したと発表しました。

20200607IIF厚木マニュファクチュアリングセンター
【引用元:産業ファンド投資法人PRより】

取得資産の概要

  ①取得資産:IIF厚木マニュファクチュアリングセンター
  ②取得価格:6,960百万円
  ③鑑定評価額:6,990百万円(2019年10月29日時点)
  ④売買契約締結日:2019年11月29日
  ⑤引渡日:2020年6月1日
  ⑥取得先:国内の一般事業会社
  ⑦取得資金:新投資口の発行及び新規借入金
  ⑧支払方法:引渡時全額支払
  ⑨取得理由:大手自動車部品製造企業(市光工業㈱)のオフバランスによる製造拠点新設ニーズを捉えた開発案件である点

 立地としては工業団地内に所在する、24時間365日稼働可能な汎用性の高い立地です。東名高速道路「厚木」ICから約7.0kmに位置し、主要幹線道路である国道246号から東京西部の中心部及び川崎・横浜の中心部へのアクセス性が高いという点を資産運用会社は評価しています。

 テナントは市光工業㈱で10年の定期建物賃貸借契約で締結されています。そして賃料は固定賃料と変動賃料で構成されています。物流系J-REITはコロナウイルスによる緊急事態宣言環境下でも上々な成績を納めています。ネックなのは固定賃料が主流なためアップサイドが取れないところですが、変動賃料を含む契約で締結することができれば将来有望なテナントであればNOIは飛躍的に向上するのでこういった条件のテナントがいる物件の取得は悪くないと思います。

 市光工業㈱は自動車部品の製造、カー用品の販売を行っている企業で2020年12月期の第1Q決算短信はコロナウイルスにより海外子会社4社中3社が減収減益となり、日本国内でも減収そして、厚木新工場への移転に伴うコスト増などの影響もあり前年同期比と比べ営業利益は1,401百万円(前期比50.9%減)となっています。厚木新工場とはIIF厚木マニュファクチュアリングセンターのことだと考えられます。製造業が拠点を移す訳なのでテナントとして長期に渡り賃借してくれることになると考えられます。そういった安定性の観点からもこのIIF厚木マニュファクチュアリングセンターの取得は良い決断だと思います。