㈱一五不動産情報サービスが2020年4月時点の物流施設の賃貸マーケットに関する調査が開示されていますのでご紹介します。

東京圏の賃貸マーケット動向
20200614東京圏の賃貸マーケット動向

 2020年4月の東京圏の空室率は0.9%となり、2008年7月からの調査開始以降で最も低い水準となりました。2020年2月~4月の新規需要は101.1万㎡と高水準で、2四半期前の107.5万㎡に次ぐ過去2番目の新規需要となりました。
 具体的にみると、日本GLPによる「GLP浦安Ⅱ」および「GLP八千代Ⅱ」、野村不動産による「Landport青梅Ⅱ」、「Landport厚木愛川町」および「Landport習志野」、日鉄興和不動産による「LOGIFRONT越谷Ⅱ」、トーセイによる「T’s Logi橋本」、三井物産都市開発による「LOGIBASE市川」ほか計15棟が新たに竣工し、うち13棟が満室稼働でした。
 また、竣工前のリーシングでは、日本GLPによる「GLP ALFALINK相模原Ⅰ」で佐川急便、西濃運輸、ギオンとの賃貸借契約の締結および「GLP北本」で商社との賃貸借契約の締結、プロロジスによる「プロロジスパーク千葉2」で大手3PL企業との賃貸借契約の締結が発表されました。また、今後の開発では、ESRによる「ESR川崎夜光ディストリビューションセンター」の着工および「ESR浮島ディストリビューションセンター」の開発、小田急不動産による千葉県印西市での開発用地取得、日本GLPによる「GLP ALFALINK相模原Ⅰ」、「GLP ALFALINK流山8」、「GLP北本」、「GLP常総」の着工、大和ハウス工業による「DPL浦和美園」の着工、日本自動車ターミナルによる「葛西トラックターミナルA棟」の着工、ロジランドによる「LOGILAND加須」の着工、プロロジスによる「プロロジスパーク海老名2」の着工と「プロロジスパーク八千代」の開発、ラサール不動産投資顧問とNIPPOによる「ロジポート加須」の着工が相次ぎ発表されました。
 2020年4月の東京圏の募集賃料は4,400円/坪で、前期の4,370円/坪から30円/坪(プラス0.7%)の上昇となりました。東京圏の募集賃料の上昇は3四半期連続で、特に外環道周辺など東京都心近郊の募集賃料が上向いています。


関西圏の賃貸マーケット動向
20200614関西圏の賃貸マーケット動向

 2020年4月の関西圏の空室率は2.0%で、前期の2.8%から0.8ポイントの低下となりました。関西圏の需給バランスはこの2年間で緩和局面から逼迫局面へと急速に移行しています。
 具体的にみると、2020年2月~4月は、泉北高速鉄道による「北大阪トラックターミナル1号棟」、シーアールイーによる「ロジスクエア神戸西」など3棟が満室での竣工となりました。
 今後の開発では、三井物産都市開発による「LOGIBASE久御山」の着工、オリックスによる「箕面ロジスティクスセンター」の開発、伊藤忠都市開発および伊藤忠商事による「(仮称)箕面森町物流施設」の開発、日鉄興和不動産による「LOGIFRONT尼崎Ⅳ」の開発が相次ぎ発表された。関西圏では2020年6月末のESR尼崎ディストリビューションセンターの竣工により空室率が一時的に上昇することが見込まれるが、大勢に大きな影響はなく、今後も安定した需給環境が続く見通しです。
 2020年4月の関西圏の募集賃料は3,850円/坪で、前期の3,720円/坪から130円/坪(プラス3.5%)の上昇となりました。関西圏の募集賃料は需給改善を背景に上向いており、この2年間で15%近く上昇しています。