経済産業省では5月22日から7月22日まで、「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」の公募を行っています。「一時的な需要増によって需給がひっ迫する恐れのある製品・部素材のうち、国民が健康な生活を営む上で重要なもの」の取り扱いのある物流施設も対象となり、補助率は大企業が3分の2以内、中小企業等が4分の3以内。補助上限は150億円で事業期間は原則3年間(大規模投資案件は4年間)となります。
 同補助事業は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、我が国サプライチェーンの脆弱性が顕在化したことから、生産拠点の集中度が高い、または、国民が健康な生活を営む上で重要な製品・部素材に関し、国内の生産拠点等の整備を進めることで、円滑な供給を確保するなどサプライチェーンの強靭化を図る。2,200億円を予算化されました。

 物流施設については、
 ①受給ひっ迫性
 ②国民が健康な生活を営む上で重要なもの
 ③設備投資効果

 が要件となります。なお、事業を早期に実施したい事業者のため、6月5日正午までに応募申請書を提出した場合は先行審査の対象となっています。既に先行審査の対象の申請期間は終わっていますが、物流施設のテナントで対象となる企業さんは是非応募して欲しいですね。物流系J-REITの投資家さんはテナントの支払ってくれる賃料が頼りです。

 また、国土交通省では、自然災害発生時での成田空港を中核とした物流ネットワークに関する調査を実施するとしています。7月末から8月上旬頃に発足予定の検討会には、成田空港をはじめ、航空フォワーダー、トラック運送会社など物流事業者や学識経験者が参加。検討会で方向性を定めたうえ、年度内に実際の調査を行い、3月末までには報告書を取りまとめる方針です。近年の自然災害の多頻度化や激甚化に対応するため、国交省では災害に強い物流システム構築に向けた取り組みを進めていすま。2018年に関西国際空港が台風21号の被害により機能不全となったことを踏まえ、今回、成田でも大規模災害を想定し、BCPの観点から調査を行う。具体的には、成田空港をコアとする航空フォワーダーとトラック運送会社の連携による物流ネットワークの維持や、各社の災害時対応について調べるとしています。

 国土交通省、経済産業省と物流施設への対応優先順位はかなり高いです。ホテル、ヘルスケア施設よりも優先しそうな勢いなので物流系J-REITは優位性が増すことになると思います。補助金でテナントさんが潤ってくれれば賃料滞納リスク、テナント退去リスクは更に低くなるので安全性も高まることになると考えられます。