三鬼商事から2020年5月時点のオフィスレポートが公開されていますのでご紹介致します。

 

20200702三鬼商事オフィスレポート(2020年5月時点)
札幌ビジネス地区
 
 札幌ビジネス地区の5月時点の平均空室率は1.94%、前月比0.14ポイント上げました。5月は成約の動きが少なかったことや、商業系テナントを中心とした中小規模の解約の影響も出ていたことから、札幌ビジネス地区全体の空室面積はこの1カ月間で約7百坪増加しました。5月時点の平均賃料は9,340円、前月比0.04%(4円)上げて、32カ月連続の上昇となりました。札幌のオフィスビル市場は新型コロナウイルスの影響は未だ小さいものの、テナントの動きは少ない状況が継続しているため、引き続き市況の動向が注視されます。● 5月時点の地区別の平均空室率は次のとおりです。駅前通・大通公園地区は1.75%、前月比0.17ポイント上げました。他地区への移転や撤退に伴う解約の影響があり、同空室率が上昇しました。駅前東西地区は1.66%、前月比0.05ポイント上げました。建替え予定ビルからの移転や新規進出による大型成約も見られたものの、小規模な解約の動きも出ていたため、同空室率が小幅に上昇しました。南1条以南地区は前月比0.12ポイント上げて1.75%、創成川東・西11丁目近辺地区は前月比0.14ポイント上げて3.22%となりました。いずれも小規模な解約の影響が見られたことから、同空室率が上昇しました。北口地区は1.66%、前月比0.35ポイント上げました。竣工1年未満の新築ビル1棟が満室稼働になった一方で、店舗の撤退などに伴う解約の動きも出ていたため、同空室率が上昇しました。


仙台ビジネス地区

  仙台ビジネス地区の5月時点の平均空室率は4.64%、前月比0.07ポイント上げました。5月は拡張移転などに伴う小規模な成約の動きが見られたものの、店舗の閉店やオフィスの縮小による解約の動きも出ていたことから、仙台ビジネス地区全体の空室面積はこの1カ月間で約3百坪増加しました。5月時点の平均賃料は9,316円、前月比横ばいで推移しました。仙台のオフィスビル市場では新型コロナウイルスの影響による解約の動きが業種を問わず徐々に広がってきているため、引き続き今後の動向が注視されます。● 5月時点の地区別の平均空室率は次のとおりです。駅前地区は4.18%、前月比0.12ポイント上げました。小規模な成約の動きは見られましたが、縮小や撤退に伴う解約の影響があったため、同空室率が上昇しました。一番町周辺地区は3.13%、前月比0.13ポイント下げました。拡張移転や他地区からの移転に伴う成約があり、同空室率が低下しました。県庁・市役所周辺地区は5.67%、前月比0.17ポイント上げました。小規模な解約の影響が見られ、同空室率が上昇しました。駅東地区は6.11%、前月比0.28ポイント上げました。オフィス縮小に伴う解約の動きが一部で見られたことから、同空室率が上昇しました。周辺オフィス地区は9.88%。テナントの動きがなかったため、同空室率は前月比横ばいで推移しました。


東京ビジネス地区

  東京ビジネス地区(都心5区/千代田・中央・港・新宿・渋谷区)の5月時点の平均空室率は1.64%、前月比0.08ポイント上げました。5月は新築ビル3棟が満室で竣工したほか、既存ビルでも一部の大型空室に成約が見られたものの、縮小などに伴う解約の動きが出ていたため、東京ビジネス地区全体の空室面積はこの1カ月間で約6千9百坪増加しました。新型コロナウイルスによる大きな影響は出ていませんが、小規模な解約の動きは見られるため、引き続き今後の動向が注視されます。新築ビルの5月時点の空室率は1.85%、前月比1.46ポイント下げました。5月は大規模ビル1棟を含めた3棟が満室で竣工しました。竣工1年未満のビルにも成約の動きがあり、同空室率が低下しました。既存ビルの5月時点の空室率は1.63%、前月比0.13ポイント上げました。5月は一部の大型空室に成約が見られた一方、縮小などに伴う解約の影響もあったことから、同空室率が上昇しました。● 東京ビジネス地区の5月時点の平均賃料は22,836円。前年同月比6.73%(1,440円)、前月比0.07%(16円)上げました。東京ビジネス地区は77カ月連続で平均賃料が上昇しました。

東京都内5区の平均賃料

 千代田区 24,663円/坪(空室率1.21%)
 中央区  20,227円/坪(空室率1.26%)
 港区   23,352円/坪(空室率1.88%)
 新宿区  20,472円/坪(空室率1.99%)
 渋谷区  25,320円/坪(空室率2.55%)


横浜ビジネス地区

 横浜ビジネス地区の5月時点の平均空室率は2.47%、前月比0.58ポイント上げました。5月は横浜市新庁舎への移転に伴う大型解約のほか、撤退や縮小による解約の動きもあったことから、横浜ビジネス地区全体の空室面積はこの1カ月間で約4千9百坪増加しました。5月時点の平均賃料は12,112円、前月比0.31%(37円)上げました。平均賃料は32カ月連続の上昇となりました。横浜のオフィスビル市場では新型コロナウイルスの影響による解約の動きは少なかったものの、5月は市場の動きに停滞感が見られたため、引き続き今後の動向が注視されます。● 5月時点の地区別の平均空室率は次のとおりです。関内地区は4.89%、前月比1.71ポイント上げました。横浜市新庁舎への移転による大型解約の動きがあり、同空室率が上昇しました。横浜駅地区は2.08%、前月比0.24ポイント上げました。縮小などに伴う解約の動きがあったことから、同空室率が上昇しました。新横浜地区は2.12%、前月比0.34ポイント上げました。分室の閉鎖や撤退などに伴う解約の動きがあり、同空室率が上昇しました。みなとみらい21地区は0.93%、前月比0.04ポイント上げました。テナントの動きが少なかったため、同空室率は小幅な上昇に止まりました。


名古屋ビジネス地区

 名古屋ビジネス地区の5月時点の平均空室率は2.50%、前月比0.24ポイント上げました。5月は商業系テナントの縮小や撤退に伴う解約の動きが出ていたことや、成約の動きが少なく、いずれも小規模に止まったことから、名古屋ビジネス地区全体の空室面積はこの1カ月間で約2千3百坪増加しました。5月時点の平均賃料は11,856円。前月比0.25%(29円)上げて、16カ月連続の上昇となりました。名古屋のオフィスビル市場における新型コロナウイルスの影響は、現時点では商業系テナントを中心とした解約の動きに止まっているものの、オフィスの成約に向けての動きは停滞した状況にあるため、今後の動向が引き続き注視されます。● 5月時点の地区別の平均空室率は次のとおりです。名駅地区は2.47%、前月比0.23ポイント上げました。館内縮小や撤退、店舗の閉店に伴う解約の動きがあり、同空室率が上昇しました。伏見地区は2.06%、前月比0.06ポイント上げました。撤退などによる解約の影響もあったものの、小規模な成約も見られたため、同空室率は小幅な上昇に止まりました。栄地区は2.30%、前月比0.28ポイント上げました。縮小に伴う大型解約などがあったため、同空室率が上昇しました。丸の内地区は4.35%、前月比0.61ポイント上げました。撤退や統合などの解約の動きがあり、同空室率が上昇しました。


大阪ビジネス地区

 大阪ビジネス地区の5月時点の平均空室率は2.18%、前月比0.18ポイント上げました。5月はオフィス縮小などに伴う解約の動きが出ていたことや、成約の動きが極めて少なかったこともあり、大阪ビジネス地区全体の空室面積はこの1カ月間で約3千9百坪増加しました。5月時点の平均賃料は11,957円、前月比0.08%(10円)上げました。大阪のオフィスビル市場における新型コロナウイルスの影響は現時点では大きくはないものの、縮小に伴う解約や一部では計画延期といった動きも見られるため、引き続き今後の動向が注視されます。● 5月時点の主な地区の平均空室率は次のとおりです。梅田地区は1.39%、前月比0.39ポイント上げました。成約の動きが少ない中、大型解約の動きが相次いだため、同空室率が上昇しました。淀屋橋・本町地区は1.83%、前月比0.09ポイント上げました。建替え予定ビルからの移転などの成約が見られた一方、店舗の閉店や縮小に伴う解約の動きも出ていたことから、同空室率が上昇しました。船場地区は3.72%、前月比0.17ポイント上げました。館内縮小や他地区への移転に伴う解約の影響があり、同空室率が上昇しました。心斎橋・難波地区は1.58%、前月比0.32ポイント下げました。成約の動きは少なかったものの、解約の影響が小さかったため、同空室率が低下しました。


福岡ビジネス地区

 福岡ビジネス地区の5月時点の平均空室率は2.35%、前月比0.09ポイント上げました。5月は建替え予定ビルからの移転や拡張移転などの成約が見られたものの、一部では縮小や撤退に伴う解約の動きも出ていたことから、福岡ビジネス地区全体の空室面積はこの1カ月間で約6百坪増加しました。5月時点の平均賃料は10,892円。前月比0.45%(49円)上げて、35カ月連続の上昇となりました。福岡のオフィスビル市場では新型コロナウイルスの影響は未だ顕在化していませんが、小規模な解約の動きが出始めているため、6月以降の動向が引き続き注視されます。● 5月時点の主な地区の平均空室率は次のとおりです。天神地区は1.98%、前月比0.02ポイント上げました。建替え予定ビルからの移転などに伴う成約があった一方、中小規模の解約の動きも出ていたため、同空室率が小幅に上昇しました。祇園・呉服町地区は2.41%、前月比0.14ポイント下げました。他地区からの拡張移転に伴う成約の動きが見られ、同空室率が低下しました。博多駅前地区は2.53%、前月比0.29ポイント上げました。一部で大型成約の動きが見られたものの、縮小などに伴う解約の影響があったことから、同空室率が上昇しました。博多駅東・駅南地区は1.92%、前月比0.09ポイント下げました。拡張移転などに伴う成約の動きがあり、同空室率が低下しました。