2020年6月期決算のJ-REITの収益性について分析しました。

・NOI利回り
20200901J-REIT(6.12月決算)NOI利回り推移
20200901J-REIT(6.12月決算)NOI利回り推移2

 NOI利回りのNOIは賃貸事業収入から賃貸事業費用を差し引き、減価償却費をプラスすることで算出しています。コロナウイルスによる緊急事態宣言環境下であっても日本ビルファンド投資法人、日本プライムリアルティ投資法人といったオフィス系J-REITは抜群の安定感を見せています。また地方の物件を主力としていることが功を奏しマリモ地方創生リート投資法人も高い利回りを出しています。地方は営業自粛の要請が出なかった地域もあるので関東圏で緊急事態宣言でパニックになっている時も安定して賃料を収受できていたものと思われます。しかし、商業施設を主力としているフロンティア不動産投資法人は賃料減額に応じなくてはならないテナントも出てきています。しかし、思いのほか影響は少ないようで、NOI利回りも5%以上をキープできています。オフィス物件が主力でありながらも商業施設も少数保有する日本リート投資法人はNOI利回りが上昇しています。これは賃貸事業費用のうち管理業務委託費、修繕費の削減効果が大きいです。コスト削減を通じて内部成長を実現したということは評価できると思います。
 目も当てられないことになっているのはインヴィンシブル投資法人です。これは料減額を行ってしまったので賃貸収入が大きく減少しているため利回りと呼べるレベルでは無いほど減少しています。また、1年決算であるためこのグラフには表示していませんがジャパン・ホテル・リート投資法人も減少しており、NOI利回りは1.920%となっています。2019年6月中間期は5.632%となっているためその差は大きいです。インヴィンシブル投資法人はオペレーターの運用コストの一部を投資法人で負担するという事態になったため営業自粛で賃貸事業収入は減少しているのに賃貸事業費用は増加するという残念な運用を行っているため賃貸事業費用がマイナスになっています。


・当期純利益率
20200901J-REIT(6.12月決算)当期純利益率推移
20200901J-REIT(6.12月決算)当期純利益率推移2

 6月・12月決算投資法人の当期純利益率の推移です。6月・12月で物件売却を行ったのはインヴィンシブル投資法人とジャパンエクセレント投資法人だけでした。多くの投資法人が物件入れ替えを計画していたと思うのですが、多くがキャンセルされたものと考えられます。ジャパンエクセレント投資法人は前期に締結した売買契約書に従い、JEI西本町ビル(準共有持分80.0%)売却益1,645百万円、興和川崎西口ビル(準共有持分30.0%)売却益58百万円を計上しているため当期純利益も押し上げられる形になっています。インヴィンシブル投資法人ですがシティハウス東京新橋で売却益2,046百万円を計上しています。インヴィンシブル投資法人はレジデンスを売却し現金化しスポンサー様からホテルを買うことが至上命題であるための決断だと思いますが、レジデンスはむしろ持っていた方が良かったのではないかと思います。賃貸事業損益がマイナスとなっており、業績予想も開示出来ていない立場なのでしばらくホテル一本槍でいくのは危険だと思います。インヴィンシブル投資法人は他のホテル系J-REITと違い、レジデンスを持っていることが特徴でもありレジデンスの運用経験だけとればインヴィンシブル投資法人になる前の旧東京グロースリート投資法人時代から相当持っているのでホテルとレジデンスの二刀流でも良いのではないかと思います。
 ジャパンエクセレント投資法人とインヴィンシブル投資法人以外は前期と比べ上昇傾向にあります。前期取得した物件の賃料が満額寄与したことと修繕費を削減したことが主な上昇理由です。