2020年9月15日にサムティ・レジデンシャル投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が2,701円のところ2,834円で着地しました。
尚、利益超過分配金391円が含まれています。

その稼働率の低下は本当にコロナだろうか?
20200926サムティ・レジデンシャル投資法人NOI推移

 2020年7月期の外部成長については、2020年2月にS-FORT静岡天王町を取得(取得価格969百万円)しました。また7月にはSFORT船橋rootsの取得(取得価格815百万円)及びS-FORT京都西大路の譲渡(譲渡価格856百万円)を行いました。その結果、2020年7月期末における投資法人の保有資産は118物件、取得価格の合計は110,004百万円となり、エリア別投資比率は、取得価格ベースで地方都市比率71.8%(主要地方都市49.2%、その他地方都市22.6%)、首都圏比率28.2%となりました。
 内部成長については前期と同様に、地域の特徴や需要に合わせたリーシング活動ならびに共用部や居室の改修等を進め、快適性、利便性、安全性等のユーザビリティの向上に取り組んでいます。2020年7月期においては、屋上防水改修工事、共用部のLED化や電子ブレーカーの導入等を行いました。大規模工事の実施にあたっては、サムティグループとの連携を図ることにより、コスト削減を実現しています。なお、調整後賃料単価は、プロパティマネジメント会社と連携し、地域の特徴や需要を踏まえた賃料設定や礼金収受等に取り組んでいることから、引き続き堅調に推移しています。2020年7月期末における総賃貸可能面積は257,382.16㎡、稼働率は95.3%となっています。業績は、営業収益3,900百万円、営業利益1,776百万円、経常利益1,449百万円となり、当期純利益は1,448百万円となりました。

 2020年7月期におけるコロナウイルスの感染拡大を受けた政府による緊急事態宣言の影響から、4月以降の稼働率は昨年と比べ低位で推移しているものの、緊急事態宣言解除後の6月以降は回復傾向にあります。2020年7月期末時点で、投資法人の賃貸可能戸数7,644戸のうち、事務所・店舗等は29戸でり、賃料・共益費収入に占める割合は1.7%程度です。また、3月以降のテナントからの賃料減額及び支払い猶予の要請件数は9件であり、業績への影響は限定的としています。コロナウイルスによる影響は一番受けたレジデンス系J-REITではないでしょうか。支払い猶予の要請は事務所・店舗等によるものだと思いますが、稼働率に影響を与える程なのかというのは少々疑問です。稼働率の低下はコロナウイルスよりも物件の立地によるものではないかと思います。

特に80%代の以下の物件は低すぎです。

・S-FORT葵(名古屋市東区)82.1%
・S-FORT葵一丁目(名古屋市東区)85.2%
・S-FORT桜山(名古屋市瑞穂区)84.7%
・S-RESIDENCE宮の森(札幌市中央区)86.4%
・S-FORT熊本呉服町(熊本市中央区)83.5%


地方物件が多いので地方レンダーをもっと加えても良いかも

 サムティ・レジデンシャル投資法人は借入金については、機動性を重視した短期借入金と、財務の安定性を企図した長期借入金を効率的に組み合わせ、最適な資金を調達します。また、新投資口の発行については、LTVの上限を60%と定めています。
 2020年7月期においては、2020年6月30日付にて、2020年6月30日返済期限の長期借入金(タームローン1-C)3,000百万円及び2020年8月2日返済期限の長期借入金(タームローン4-B及びタームローン4-D)5,600百万円について、㈱みずほ銀行より短期借入金(タームローン14-A)2,000百万円、㈱りそな銀行、㈱新生銀行、㈱三井住友銀行及び㈱福岡銀行より長期借入金(タームローン14-B)2,500百万円、㈱三井住友銀行、㈱あおぞら銀行、㈱福岡銀行、㈱みずほ銀行及び㈱香川銀行より長期借入金(タームローン14-C)4,100百万円への借り換えを行いました。この結果、2020年7月期末時点における有利子負債残高は58,985百万円となり、LTVは50.9%となりました。2020年7月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・㈱日本格付研究所(JCR)、長期発行体格付:A-、格付の見通し:安定的