少し前のプレスリリースになりますが、インヴィンシブル投資法人が運用中のホテルについてオペレーターを変更したことを発表しました。

変更の概要

 ①物件名:ホテルマイステイズ札幌アスペン
 ②変更前ML会社・PM会社:札幌アスペンホテル㈱
 ③変更後ML会社・PM会社:㈱マイステイズ・ホテル・マネジメント
 ④変更日:2020年11月1日(予定)

変更の理由

 変更は、ホテルマイステイズ札幌アスペンに係る賃貸借契約の仕組みを簡素化するために行うものです。物件においては、㈱マイステイズ・ホテル・マネジメントがの完全子会社であり、物件の現テナントである札幌アスペンホテル㈱からホテル営業に係る運営委託を受けて物件のホテル部分のオペレーターとして物件の運営に従事しているところ、変更により、㈱マイステイズ・ホテル・マネジメントが直接のテナントとなります。上記のとおり、変更によるオペレーターの変更は生じないことから、今回変更がホテル運営に与える影響は軽微です。

 よく言われている「ML」とはマスターリースのことを意味します。インヴィンシブル投資法人は札幌アスペンホテル㈱へ一括貸ししていたものを㈱マイステイズ・ホテル・マネジメントへの一括貸しに変更するということを意味しています。オペレーター契約は賃貸借契約に紐づいている訳では無いのでオペレーターは引き続き札幌アスペンホテル㈱ということになります。分かり辛いですね。


 変更前も変更後も身内なので大したことはないんですけどね。一応、スポンサー関連企業である㈱マイステイズ・ホテル・マネジメント以外のオペレーターへの引き止めは成功しているようですね。
Gotoトラベルにより客室稼働率が好調だと良いのですが、J-REITに限らず最近のホテルはビジネスホテル、リゾートホテル問わずインバウンド需要を狙ったホテルが多い状況です。

20201018北海道観光入込客数調査報告書

 北海道経済部観光局の北海道観光入込客数調査報告書(2020年8月発表)によると2019年度の北海道を訪れた外国人旅行者ですがアジア地域からの来道者は213万6,600人で、前年度に比べて20.5%の減少となりました。国・地域別で見ると、中国が59万4,000人(前年度比▲16.2%)と最も多く、次いで、台湾が48万8,900人(同▲17.7%)、韓国が43万6,900人(同▲40.2%)、タイが21万600人(同▲10.5%)、香港が17万7,800人(同▲13.3%)、マレーシアが10万6,900人(同▲17.1%)となっており、新型コロナウイルス感染症の影響等により、多くの国で減少となりました。これは2019年度の数値なので2020年度は更に悪くなっている状態となっているはずです。外国人宿泊者数が増えていかない限りはホテルが完全復活することは難しいですね。
 
 市町村別の観光入込客数は、札幌市が1,526万人(前年度比▲3.7%)で最も多く、次いで、小樽市699万人(同▲10.5%)、函館市537万人(同+2.0%)、以下釧路市、旭川市、千歳市の順となっています。一方、宿泊客延べ数でみると、札幌市が1,398万人泊(前年度比+1.8%)で最も多く、次いで、函館市382万人泊(同▲13.3%)、釧路市148万人泊(同▲3.5%)、以下、帯広市、倶知安町、登別市の順となっています。やっぱりトップは札幌市なのでレジデンスもホテルも札幌市の物件を取得することはポートフォリオ上は適切な判断だと思います。まあインヴィンシブル投資法人の場合はホテルマイステイズ札幌アスペンが活況になったとしてもホテルのポートフォリオが大きいので分配金上昇は厳しいですけどね。