2020年10月15日に三菱地所物流リート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が5,947円のところ6,003円で着地しました。
尚、利益超過分配金592円が含まれています。

コロナ下でもNOI利回りは4.81%と上々
20201026三菱地所物流リート投資法人NAV倍率推移

 2020年8月期は外部成長は2020年8月13日に以下の5物件について売買契約を締結し、2020年9月1日に取得を完了しました。

2020年9月1日取得物件
 
 ①ロジクロス大阪(準共有持分60%)、所在地:大阪府大阪市、取得価格5,874百万円、鑑定評価額6,000百万円
 ②ロジクロス名古屋笠寺(準共有持分60%)、所在地:愛知県名古屋市 、取得価格8,705百万円、鑑定評価額9,540百万円
 ③ロジポート大阪大正(追加取得分17.5%)、所在地:大阪府大阪市 、取得価格4,802百万円、鑑定評価額5,267百万円
 ④MJロジパーク加須2、所在地:埼玉県加須市 、取得価格1,637百万円、鑑定評価額1,710百万円
 ⑤MJロジパーク仙台1、所在地:宮城県多賀城市 、取得価格7,388百万円、鑑定評価額7,410百万円

 内部成長については、前期末から15物件(取得価格合計113,787百万円)を保有しており、ポートフォリオ全体の稼働率は99.9%と高稼働を維持しています。三菱地所物流リート投資法人は物流施設市場の状況について、外出自粛要請を背景としてECの利用拡大が加速している点に注目が集まっており、今後もオンライン消費の拡大や在庫拡大による物流施設需要の増加が期待されます。上記を背景に、新規供給量が高い水準にある中でも高水準の新規需要が続いており、空室率は引き続き低位で推移しています。今後も高水準の供給が続くものの、未竣工物件のリーシング進捗も順調であり、投資法人のポートフォリオを含めた稼働中の物件に与える影響は限定的であると考えています。業績は営業収益3,342百万円、営業利益1,729百万円、経常利益1,655百万円、当期純利益1,654百万円及び投資口1口当たり分配金6,003円となりました。
 取得した5物件については2020年8月13日ですが、取得日が2020年9月1日なのでこれらの物件が分配金に寄与するようになるのは2021年2月期までお預けです。他の物流系J-REITと同様に物流施設は今後も安定的なアセットなので投資口価格も高めに維持していくのではないかと思います。
 

LTVは約30%での推移を継続

 三菱地所物流リート投資法人の財務戦略は、三菱地所グループが長年培ってきた財務戦略に係るノウハウ及び信用力を活かした長期安定的な財務運営を基本とし、さらには成長性に配慮してLTVコントロールを行います。また、効率的なキャッシュマネジメントにより投資主価値の向上を目指しています。2020年8月期も長期安定的な財務運営を基本とし、成長性に配慮した借入比率のコントロールと効率的なキャッシュマネジメントを行うこととしています。
 デットについては長期・短期の借入期間及び固定・変動の金利形態等のバランス及び返済期限の分散等にも十分配慮して借入れを行うことを基本方針としています。2020年8月期においては、2020年10月9日に期限の到来する短期借入金1,100百万円について、2020年2月期中に取得した資産の消費税の還付金を含む自己資金にて2020年7月9日付で期限前弁済を行いました。この結果、2020年8月期の有利子負債残高は35,374百万円となり、LTVは29.4%となりました。2020年8月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・㈱日本格付研究所(JCR)、長期発行体格付:AA-、格付の見通し:安定的

 また、三菱地所物流リート投資法人はサスティナビリティ対応も積極的で2020年7月10日にロジポート大阪大正についてCASBEE不動産評価認証についてSランクの評価取得に成功しました。これも何度か記事にしていますが、物流施設の場合は屋根に太陽光パネルを設置して売電収入を得たり、発電した電力を物流施設内の電力として利用したりと環境への配慮という点で相性が良いです。今後もこの流れは続いていくことが考えられます。