2020年11月2日に福岡リート投資法人が運用中のロジシティ若宮についてリニューアル工事が完了したと発表しました。

 ロジシティ若宮は2020年6月30日に取得し、2020年7月~2020年10月まで改修工事(原状回復工事及びリニューアル工事)を行い、改修工事の予定金額をテナントとの協議により工事範囲の変更、仕様見直し等のバリューエンジニアリングにより削減することができ、NOI利回りが6.7%→7.0%に上昇する見通しだということです。

20201112ロジシティ若宮工事

 テナントは司企業㈱という配送会社で定期建物賃貸借で10年の契約を結んでいます。リニューアル工事の内容は、造成工事と庇(ひさし)設置ということでこれをリニューアルと言ってよいか意見の分かれるところでしょうが、司企業㈱が満足したなら問題は無いはずです。業績の予想についての説明が無いのでNOI利回りが0.3%くらい上昇しても分配金への影響はほぼ無いと考えられます。(リニューアル期間中は賃料も発生していないということもありますが。)

 ロジシティ若宮が属する福岡県宮若市は、古くは炭鉱が盛んな地域でしたが、炭鉱閉鎖後は市の産業誘致もあり、九州自動車道「若宮」IC 周辺を中心に工業団地が形成され、現在では福岡県下でも有数の工業都市となっています。その中でも本物件が立地する宮田団地は、1992年にトヨタ自動車九州が操業を開始して以降、関連企業の進出が相次ぎ、周辺には多くの物流事業者の倉庫集積が進んでいるエリアです。
 また、福岡市・北九州市中心市街地へ 25km圏(車で約40分)と消費地近接性を有し、福岡市内や近郊都市への地域配送に適した立地にあります。九州自動車道「若宮」ICは物件から約800m に位置し、交通アクセスは非常に良好で広域配送拠点としても機能します。周辺にはトヨタ関連企業が多いことから共同配送等にあたっても利便性が高くなっています。 

 物件は、敷地面積約10,000坪の土地に建つ平屋建の建物で、事務所部分は2階建となっています。2005年に延床面積約4,300坪にて竣工しましたが、その後2012年に増築され、現在では延床面積約5,400坪を有しています。倉庫フロアの有効天井高は増築前の既存倉庫部分で8.95m、増築部分で8.0m あり、床荷重はいずれも1.5t/㎡となります。配送機能としては、北側を除く3面バースを有し、乗用車駐車場132台等を確保した配送施設となっています。