2020年11月30日に一五不動産情報サービスが物流施設の賃貸マーケットに関する調査(2020年10月時点)を公表しましたのでご紹介します。

東京圏の賃貸マーケット動向
20201213東京圏の賃貸マーケット動向2020年10月時点

 2020年10月の東京圏の空室率は0.4%で、前期から横ばいとなった。東京圏の空室率は前期で調査開始以降で最低となったが、その水準を維持した。2020年8月~10月の新規供給は58.0万㎡に対し、新規需要は58.3万㎡と均衡した需給バランスとなりました。
 具体的にみると、プロロジスによる「プロロジスパークつくば2」、ESRによる「ESR戸田ディストリビューションセンター」ほか計8棟が新たに竣工し、全て満室での稼働となりました。
 また、竣工前のリーシングでは、ESRによる「ESR川崎夜光ディストリビューションセンター」でダイワコーポレーションとの全棟賃貸借契約の締結、日本GLPによる「GLP常総」で賃貸借契約の締結、大和ハウス工業による「DPL厚木森の里」でSBSリコーロジスティクスとの全棟賃貸借契約の締結が発表されました。

 今後の開発では、東急不動産による「LOGI’Q狭山日高」の着工、プロロジスによる「プロロジスパークつくば3」の開発および「プロロジスパーク草加」の着工、大和ハウス工業による「DPL横浜戸塚」の着工、KICアセット・マネジメントによる「KIC越谷ディストリビューションセンター」の開発および「KIC海老名ディストリビューションセンター」の開発、伊藤忠商事および伊藤忠都市開発による「アイミッションズパーク厚木2」の開発、シーアールイーによる神奈川県厚木市及び千葉県白井市での開発用地取得(*13)が相次ぎ発表されました。
 東京圏では既存物件(即入居可)の空室がほとんどないため、開発物件が新規ニーズの受け皿となっている。来年の2021年の新規供給は、過去最大の300万㎡近い水準に達するが、需給緩和に向かう気配はあまりなく、当面は良好な賃貸市況が続く見通しとしています。


関西圏の賃貸マーケット動向
20201213関西圏の賃貸マーケット動向2020年10月時点

 2020年10月の関西圏の空室率は2.5%で、前期の3.1%から0.6ポイントの低下となりました。今期はラサール不動産投資顧問による丸和運輸機関向けの「AZ-COM Logistics Kyoto」 が新たに竣工し、臨海部の既存物件の空室消化も進んだことから需給改善に繋がりました。

 今後の開発では、東急不動産による「LOGI’Q京都久御山」の着工、ジーエルアールインベストメントとゴールドマン・サックスグループによる神戸市須磨区の開発用地の取得、クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドによる奈良県生駒郡安堵町の開発用地の取得、ラサール不動産投資顧問による「ロジポート神戸西」の着工、大和ハウス工業による「DPL茨木北」の着工が相次ぎ発表されました。
 関西圏における今年の新規供給面積のうち、半分近くが2020年6月に竣工したESR尼崎ディストリビューションセンターで占められますが、すでに高い稼働状況で、臨海部の需給改善が順調に進んでいる。また、来年の2021年の新規供給は100万㎡を大きく上回り、過去最大となりそうだ。新規供給のうち約8割は内陸部の開発ですが、プレリーシングが順調に進んでおり、臨海部の開発はテナントが確定したBTS型プロジェクトが中心であることから、今後も安定した需給環境が続く見通しとしています。