2020年12月14日に投資法人みらいの決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が1,380円のところ1,429円で着地しました。

コンバージョンで収益の安定化を図る
20201222投資法人みらいNOI推移

 外部成長については、2020年6月30日に「MIUMIU神戸」の準共有持分の38%(譲渡価格3,230百万円)を譲渡した結果、2020年10月期末現在における運用資産は33物件、取得価格の合計は150,911百万円、総賃貸可能面積は245,466.94㎡、稼働率は96.2%となりました。

 投資法人においても、ホテル分野は、緊急事態宣言により5月には稼働率を大幅に落とし、その後、夏場から秋に掛けて地方のビジネス用途のホテルを中心に徐々に稼働率を戻している状況ですが、インバウンドや観光を主体としたホテルについては今後も新型コロナウイルス感染症の影響を受けることが予想されます。また、商業施設分野では、特に奈良の複合商業施設であるミ・ナーラで緊急事態宣言による営業休止等の影響を受けました。そのミ・ナーラでは再リニューアル計画が行われており、2020年9月30日付でPM会社が㈱やまきから伊藤忠アーバンコミュニティ㈱に変更になりました。ミ・ナーラはエンドテナントからの賃料が月額70百万円を下回る場合は㈱やまきが賃料を補填する仕組みとなっていました。緊急事態宣言により営業自粛に追い込まれて賃料を補填できなくなりました。伊藤忠アーバンコミュニティ㈱に代わってからはパススルー型のML契約となるためPM会社が賃料を補填することはなくなりました。

 オフィス賃貸市場において、新型コロナウイルス感染症の影響が一部出ている状況と述べてはいますが。2020年6月16日にはホテルWBF淀屋橋南をMiiX淀屋橋にホテルからオフィスへのコンバージョンを行う決断は良い判断だと思います。地方の行楽地に立地するリゾートホテルや旅館では難しいですが、駅近に立地されるビジネスホテルやシティホテルが採用できる有効な手段だと思います。2020年10月期の実績として営業収益5,367百万円、営業利益2,622百万円、経常利益2,378百万円、当期純利益2,376百万円を計上しました。


ホテルを多数持っているためレンダーの様子には注意が必要

 2020年10月期の財務面については、2020年7月13日付で発行した投資法人債1,000百万円及び「MIUMIU神戸」の譲渡代金の一部により、短期借入金3,000百万円を返済しました。当期末時点の借入金及び投資法人債の残高は75,700百万円(うち、1年内返済予定の長期借入金3,000百万円、長期借入金70,700百万円、投資法人債2,000百万円)となっています。有利子負債調達は、ほぼ全て長期化・固定化を行っており、なお、機動的かつ安定的な資金調達の確保と、より一層強固な財務基盤の構築を目的として金融環境の変化や金利変動が業績に与える影響は軽微としています。また、借入極度額3,000百万円のコミットメントラインを設定しています(未実行枠残高3,000百万円)。

 「金融環境の変化や金利変動が業績に与える影響は軽微」と考えている点が楽観的ですね。金利変動は確かに現状は軽微だと思いますが、金融環境の変化はレンダーの動きに特に影響与えます。まるでオセロにようにみんな一気に態度を変えるので留意する必要があるではないでしょうか。もし、レンダーの態度が変わる時はホテルを保有している投資法人から先に変わると思います。

 2020年11月30日にはコンフォートホテル新山口を譲渡価格920百万円で売却しました。投資法人みらいは取得価格ベースではオフィスビルが主力ですが、運用物件数ではホテルが多い状況です。そのホテルはビジネスホテルが核なのでコロナウイルス次第では回復を見込めるので今が耐える時期といえそうです。買い手がいるのなら売却し物流施設に入れ替えるという手も考えられそうです。