2021年1月15日にユナイテッド・アーバン投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が2,300円のところ3,119円で着地しました。

地方の商業施設の方が回復が早い
20210120ユナイテッド・アーバン投資法人NOI推移

 2020年11月期の外部成長は2020年6月30日にレッドウッド成田ディストリビューションセンター(物流施設、取得価格:2,345百万円)の取得を行いました。譲渡については2020年11月30日に西新橋1丁目ビルの準共有持分50%(オフィス、譲渡価格9,480百万円)の譲渡を行いました。西新橋1丁目ビルの残り準共有持分50%は2020年12月1日付で同じく譲渡価格9,480百万円での譲渡が完了しています。これらの物件取得及び譲渡の結果、2020年期末時点において、投資法人が保有する物件は、商業施設34件、オフィスビル32件、商業施設とオフィスビルの複合施設1件、ホテル20件、オフィスビルとホテルの複合施設2件、住居24件及びその他17件の合計130件(取得価格の総額656,437百万円)であり、また、総賃貸可能面積は1,543,024.46㎡(466,764.89坪)、テナント総数は2,674となりました。
 運用面については、コロナウイルスの感染拡大により経済活動が停滞する中、稼働率の維持に努め、2020年11月期期中における各月末時点のポートフォリオ全体の稼働率は、97.1%から97.8%の間で推移し、2020年11月期末時点では97.6%となっています。業績は、営業収益23,945百万円(前期比1.6%増)、不動産賃貸事業利益11,092百万円(前期比12.7%減)、営業利益10,644百万円(前期比0.2%増)、経常利益9,650百万円(前期比0.2%増)、当期純利益9,650百万円(前期比0.2%増)となりました。

 商業施設は、緊急事態宣言解除後の2020年6月以降、ほぼ全ての地域・業態で回復の兆しが出始めたものの、その回復度合いには差が出ています。繁華街に位置する都心型の店舗では回復に時間を要している一方、地域密着型の店舗では緊急事態宣言下においても比較的好調に推移し、その流れを持続していると述べていることから生活必需品を取り揃える商業施設の方が回復が早いと言えると思います。テナントの業態別においても、外食、ファッション及びエンターテインメントでは厳しい経営状況が続いている一方、食品、生活雑貨及び教育関連は、ほぼ平常状態に戻っていると述べています。


ホテル、商業施設を保有していても格付は変更無し

 2020年11月期の資金調達については、2020年8月11日に80億円の投資法人債の発行を行いました。
また、既存借入金16,183百万円の返済を目的として2020年9月23日に12,783百万円の調達を行いました。ユナイテッド・アーバン投資法人は2本のコミットメントライン(借入極度額の合計額:360億円)を設定していますが、このうち1本のコミットメントライン(借入極度額:240億円)について 2020年6月26日~2021年6月25日でコミットメントライン契約の延長を実施しました。2020年11月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・ムーディーズ・ジャパン㈱(Moodys)、長期発行体格付:A3、格付の見通し:安定的
・㈱日本格付研究所(JCR)、長期発行体格付:AA、格付の見通し:安定的

 ユナイテッド・アーバン投資法人は一時差異等調整積立金を定額的に取り崩すことで分配金の底上げを図っています。資本金を取り崩しての利益超過分配金とは違うのでただ配当利回りを高く見せたいがための運用であることには好感が持てますね。ただ、明らかに分配金は前期よりも減少しているのでコロナウイルスによる影響でダメージを受けた影響が出ています。