2021年2月16日に日本プライムリアルティ投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が7,720円のところ7,750円で着地しました。

外部成長戦略にへ変更なし
20210222日本プライムリアルティ投資法人賃貸事業利益率

 日本プライムリアルティ投資法人は主にポートフォリオ・クオリティの向上及び収益の安定成長を目指し、地域分散、用途分散によるバランスに留意しつつ、東京エリアに所在するオフィス中心に、地方オフィス及び商業施設等についても投資を検討しています。2020年12月期においては、2020年12月に大手町ファイナンシャルシティノースタワー(取得価格114億円)を取得し、JPR博多ビルの持分35%(持分相当の譲渡価格14.3億円)を譲渡した結果、2020年12月末時点における保有資産残高は66物件、4,675億円(取得価格ベース)、総賃貸可能面積501,162㎡、テナント数は857となっています。
 内部成長については、ポートフォリオ全体の安定した収益及び稼働率の確保を目指し、プロパティ・マネジメント会社及び仲介会社と緊密な連携に努めました。その結果、2020年12月期末稼働率は前期末と比較して0.4ポイント下落し99.3%となりました。管理面では、従来から掲げているブランドコンセプト(A/3S)に基づき、テナントニーズを踏まえたバリューアップ工事を計画的に実施しています。2020年12月期は省エネルギー対策への取り組みと織り交ぜながら、効果の期待できる間空調改修工事や照明器具のLED化工事を複数のビルで実施しました。
 上記の施策により、2020年12月期の実績は、営業収益17,129百万円、経常利益7,840百万円、当期純利益7,839百万円となりました。


コロナ禍も財務基盤は安定

 2020年12月期の資金調達の状況は、良好な資金調達環境と低金利を背景に、財務基盤を更に強固なものとするため、調達機関の長期化及び返済期日の分散化を重視した調達に取り組んでいます。期中に返済期限が到来した有利子負債の借換え資金の及び物件取得資金として205億円の調達を行い、返済した有利子負債の平均調達機関の6.8億円、平均調達金利0.96%に対し、新規有利子負債(短期借入金を除く)の平均調達期間は9.2年、平均調達金利は0.54%となりました。
 2020年12月期末の借入金残高は1,640億円、投資法人債残高は325億円、有利子負債残高は1,965億円となり、2020年12月期末のLTVは40.6%、長期固定化金利比率は96.9%、平均デットコストは0.76%、平均残存年数は4.6億円となっています。コミットメントラインは引き続き金融機関6行と240億円の極度額を設定しています。尚、2020年12月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・S&Pグローバル・レーティング・ジャパン㈱(S&P)長期発行体格付:A、短期発行体格付:A-1、アウトルック:安定的
・㈱格付投資情報センター(R&I)発行体格付:AA-、格付の方向性:安定的

 2021年6月期以降も引き続き、東京オフィスへの重点投資を継続していく方針を続けています。不動産マーケット、特に東京のオフィスビルの売買市場は取引利回り、期待利回りの水準は依然として低く品薄状態が継続していると述べており、実際物件は欲しいのだけど期待利回りが高くて買えないという声は私の近辺でもよく聞きます。個人的には日本プライムリアルティ投資法人の新規物件の取得・資産の入替えにおける戦略を変更していない点はよく理解できます。